赤髪の白雪姫2次小説
ゼンとオビの勝負!




 ゼンとオビは部屋に入ると、ミツヒデと木々が窓辺のテーブルに向かい合わせで座っていた。
木々は涼しい顔。ミツヒデは苦虫を嚙みつぶしたような困り顔である。
どうしたものかと思い、二人に近づくと、机の上にはオセロが乗っていた。
木々が黒。ミツヒデが白。黒が圧倒的優勢であった。
「うわっ! 木々そこは……っ! うわあああ!」
 更に黒の占める割合が多くなる。ミツヒデは額に手を当てて大きなため息をつく。
「ああ……また木々に負けた。この本を読んで勉強したつもりだったのに……」
 ミツヒデは懐から一冊の本を出した。
本の表紙には『オセロが強くなる本』と書いてあった。
「どうしたんですか? 旦那。この本?」
「王宮の図書室にあったから借りてみた。これで木々に勝てると思ったのに……」
 木々のほうを見ると、いつもは無表情である彼女の頬が少し緩んでいる。クールな伯爵令嬢は不適の笑みを浮かべている。
「木々はチェスもオセロも強いからな」
「そうですね。俺も主も木々嬢には敵いませんね。まあ、ミツヒデの旦那には勝てますけど」
「ああ、ミツヒデには勝てるな、俺も」
「ゼンもオビもひどいな……」
 ミツヒデは眉毛をハの字にして泣きそうな顔になる。
「そうだ! じゃあ、ゼンとオビだったら、どっちがオセロ強いんだ?」
 ミツヒデの言葉を聞いた瞬間、二人はお互い鋭い視線を交わす。
 二人とも木々には負けるがミツヒデに勝てる。
今までどちらがオセロに強いのだろうという疑問を持ったことはなかったが、
改めて聞かれるとお互いに負けたくないという気持ちが沸いてきた
「オビ……」
「主……」
 二人の鋭い視線が一点でぶつかる。二人とも同時にニヤリと笑う。
「よし! 勝負だ! オビ!」
「望むところです! 主!」
 二人は木々とミツヒデが座っていた椅子に腰かけ勝負を挑む。
「どうせなら、何か賭けますか? 主?」
「そうだな、何にしようか」
「じゃあ、もし俺が買ったら、主公認でお嬢さんと一日デート!というのはどうです?」
「ええっ!」
 ゼンは眉間に皺を寄せ嫌な顔をする。
「主が負けなきゃいいんですよ、負けなきゃ。それとも主、勝負する前から負けると思っているんすか?」
「うっ! そんなわけないだろ! オビになんか負けるものか!」
「そうこなくっちゃ! さすがは我らが主!」
「じゃあ俺が勝ったら?」
「うーん、主にとってお嬢さんとデートは特別なことではないし……あっ、こんなのはどうです? 
お嬢さんとデートして、目を見つめて『かわいい!』と必ず言う!」
「はぁ?」
 予想もつかないオビの発言にゼンは目を丸くする。
「どうせお嬢さんに気の利いた言葉なんてかけたことないんでしょ。
これをきっかけにいつも主が頭の中で悶々と考えていることを言ったらどうです?」
「な、なんで俺がそんなことを言わなきゃいけないんだ……」
 ゼンはオビの提案に引き気味である。
「何なら俺が勝ってお嬢さんとデートして言っちゃいますよ。お嬢さんかわいい!って」
「そ、それはダメだ!」
「じゃあお嬢さんに『かわいい』って言ってください、主。
たまにはちゃんと言葉にして伝えないとお嬢さんに嫌われちゃいますよ」
「うっ!」
 嫌われるという言葉を聞いてゼンは固まる。
「うぐぐ……よーし、負けないぞ! オビ! 勝負だ!」
「望むところです! 主!」


ゼンになったつもりでオセロをやってきてください!
ゼンとオビのオセロ
(新しくページが開きます。オセロが終わったら、こちらのページに戻って来て続きをどうぞ♪)

オビが勝った!  ゼンが勝った!






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