衆議院総選挙記念
***オリエント総選挙***


あなたは古代オリエントの住人です。内閣不信任案が出たため、オリエント内閣は
総辞職してしまいました。よりよいオリエントを作るためにふさわしい議員を一人
投票して下さい。

カイル
政党 ヒッタイト民主党
トレードマーク ユーリにちなんで百合の花
公約 ラムセス薔薇展の中止(莫大な予算がかかるため)
農民も商人も、誰もが安心して暮らせるオリエントを築いてみせる!
ミニスカからはみ出る太ももに惚れたそこのオナゴ! どうか私に1票を!
ラムセス
政党 エジプト自由党
トレードマーク 言わずとも薔薇の花
公約 俺に投票してくれた奴には薔薇の花プレゼント!(ホントか!)
オリエントを薔薇の国にしてやるぜ!  俺に政治を任せれば、お前達には
苦労なんてさせないぜ!全て俺が守ってやるっ! 俺に1票入れないと薔薇のトゲが飛んぶぜ!
黒太子
政党 ミタンニ社会党
トレードマーク 黒いチューリップ
公約 ネフェルティティ姉上のブロマイドプレゼント
影が薄いようではあるが、結構みんなの記憶に深く刻み込まれている私。
ナディアと一緒に住み良いオリエントを作ろうと思っている。
ネフェルティティ姉上も一緒に協力してくれると嬉しいのだが…。
ナキア
政党 バビロニア平和党
トレードマーク 食虫花のはえじごく
公約 税金で豪華絢爛ナキアベルサイユ宮殿の建設
おーほほほ。ワタクシにオリエントを任せれば何の心配もありませぬぞっ!
すべての国民は私の水の魔法で思いのままじゃ! 賄賂もたくさんやるぞよ…。
アッダ=シャルラト
政党 アッシリア労働党
トレードマーク アセロラガム(なんとなく…)
公約 投票してくれた人の中から抽選でアッダちゃん人形プレゼント
お久しぶりでございます。聡明なアッダ=シャルラトでございます。
歴史的に言えば、いずれオリエントは我が国アッシリアに統一されるのです。
遠回りしないで、この「アッダちゃん」に1票を…。



皆さんに投票していただきました♪

       

〜投票結果〜

1位 カイル
いや、いちばんまともな政治しそう・・・・(爆)なんてったつて!保守派ですもの。
愛しています。最近出番が少ないから、ユーリのかわりになぐさめてあげたいわ。
薔薇の国も怖い物みたさで捨てがたいが、カイルのあの太股や
たくましい二の腕に勝てる物はないでしょう(爆)
オリエントの覇権を握るのはカイルと決まっているのです!
あの太ももに比べたら、薔薇のトゲなんて怖くも何ともないわ〜。
かっこいいからですわ!
国民のことを一番考えているカイルに私の一票を!!
絶対にラムセス薔薇展は中止にして!!
やはりカイルファンの私はカイルに投票しないと・・・
農民も商人も、誰もが安心して暮らせるオリエントを築いてくれぃ!!
あたしは当然カイルです!!でもラムセスでもいいかな。でもやっぱりカイルです。
2位 アッダ=シャルラト
一番まじめじゃないですか…。それに、けっこう彼女好きなんです…
なんたって聡明だから!!!
なんか、クリーンな政治をやってくれそうじゃありません?
公約がちょーっと引っかかるけど…(~_~;)
心の中では「カイル」なんですけどねー(笑)
カイルファンなのにごめんねっ!でも、メッセージが気に入った・・。
な〜〜んかカイルより頼り甲斐がありそーやし、1番マトモやから・・・・・。
3位 ラムセス
理由其の壱:わたくしはラムセスを愛してるので。(爆)
理由其の弐:薔薇のとげを飛ばされるのは勘弁だから。(死っ)
理由其の参:結構薔薇の花がほしいかもだから。
理由其の四:薔薇の国になったオリエントで、彼が高笑いしている姿がみてみたいっ!!!
        (結構切実。)
理由其の伍:ラムセスにまもってほしいぃ!!!キャッ、わたしったら
あの強引なやり方で、きっとオリエントをまとめてくれるかな?ということで、、。
帝王の女がいないとだめ?かもしれないけど、、。
もっともナキアが治めればどんな形になるかは別として、
みんな水を飲んじゃってるから一番、、まとまる、、?、、?
オリエントに薔薇を広めよう!そこのあなた!ねねsワールドに来たら
薔薇教を広めないと呪われますぜ(ホントか?)
ウチの3人の子供も幸せになるような政治をしてくれそう(!?)
4人目はラムちゃん、あなたの子を産みたいっ!
っていうかラムセスが民主党だったらよかったのに〜(笑)でも自由党でもなんでも
守ってもらいたいッス!!っていうかカイルひどい!薔薇展がつぶれちゃう!
4位 黒太子
トレードマークによろめいちゃった!
4位 ナキア
ユーリ、カイルをグッーと引きたててくれるお方は、やっぱり、この方ですね〜。
そう思って、悪しき一票を入れました。賄賂ちょうだい!


 

***
「第1回オリエント総選挙。不在者投票を含め沢山の投票ありがとうございます。
当選は……、ヒッタイト民主党のカイル=ムルシリさんですっ!」
 テレビの選挙速報の解説者ハディがうるさく叫んでいた。
(テレビあるのか…?古代に…)
「では、当確の決まったカイル=ムルシリさんの事務所から中継が入っております。
ハットッサのリュイさん。お願いします」
「はい、こちらハットッサ・ムルシリ事務所です。当選の決まったカイル=ムルシリさんの
事務所では万歳三唱が響き渡っています。今、ムルシリ婦人であるユーリさんが、
だるまの片方に、墨汁で目を書きました。ユーリ婦人、とても嬉しそうです」
 リュイは人ごみを掻き分け、カイルの元にマイクを向けた。
「ムルシリさん。当選おめでとうございます。今のお気持ちは?」
「ありがとうございます。まぁ…実力と言えば実力ですな! 私の太ももに惹かれたオナゴが
多いということだろう! これからもミニスカートはいて頑張るからヨロシクなっ!
公約通り、ラムセスの薔薇展は中止だ!」
 カイルはカメラに向かって唾を飛ばしながら興奮気味に言った。
「こちらハットッサ事務所からでした。引き続きどうぞ!」
 うるさい事務所からの中継は途切れ、スタジオに戻った。
「はい。では惜しくも当選には及ばなかった方からも、一言メッセージを聞いてみましょう!
メンフィスのシャラさん! ラムセスさんの事務所はどうでしょう?」
「はい、こちらメンフィスの事務所前です。ラムセスさん、惜しかったですね。」
 シャラはラムセスにマイクを向けた。
落ち込んでると思いきや、ラムセスをはじめ事務所内は結構明るかった。
「うーん。ムルシリに負けたのは悔しいが…、まあ仕方ない。よく見てくれ! 
俺への投票メッセージは、当選したカイルと同じ位の量がある。それだけ俺の熱いファンが
いるということだ。嬉しいぜっ!……そんなことよりも、今は投票してくれたファンへの
薔薇の花の郵送に追われているんだ!」
 事務所内では、ネフェルトやラムママをはじめ、バタバタと薔薇の花を豹柄の包装紙に包む
作業が忙しく行なわれていた。どうやら落ち込んでいる暇はなようだ。
「落選したからと言って、約束を守らないわけにはいかないからな! 
シャラ! お前も暇なら手伝え!」
 ラムセスは薔薇の花をシャラの前に突き出した。
「えっ……!」
 思わず薔薇の花を受け取ってしまったシャラ。マイクの代わりに薔薇の花を持ち、
事務所の雑踏に巻き込まれてしまった。シャラのマイクを奪って一言、ラムセス……
「俺に投票してくれた奴! 礼を言うぜ! 薔薇の花は古代からクール宅急便で
送るからな! 気長に待っていてくれ! ラムネコヤマトの宅急便だ!」
(皆様、どうかラムセスの気持ちだけでも受け取ってやってください…笑)

「さあ、次はムルシリさんと接戦だったアッシリア労働党のアッダ=シャルラトさんの
事務所からです。イル=バーニさん、お願いします!」
「はい、こちらイル=バーニです。アッダ=シャルラトさんの事務所は少々
元気がありません。残念でしたね、シャルラト王女」
 イルはアッダ=シャルラトにマイクを向けた。
「まあ、残念と言えば残念ですが…。立候補者5人の中で一番出番が少なかった割には
大健闘だと思いませんこと?」
 表情一つ変えずにアッダ=シャルラトはマイクに向かって涼しく言った。
 さすがは天河一聡明といわれる王女。選挙に敗れても、髪の毛一本、乱さなかった。
今後アッシリアが勢力をつけていくことが、アッダ=シャルラトを見ても分かるであろう。
「それよりももし…」
「なんでしょう?」
「イル=バーニさんと申しましたっけ? あなたは大変、頭の切れる方ですわね。
ワタクシの側近になりませんこと? どこぞの側室のようにワタクシは破天荒なことはしませんわ!」
 なんと! イル=バーニ転職か? または天下りか? カイルの目指す治世も理想だが、
アッダ=シャルラトの治める国も悪くないかもしれない。
 暫くの間、イル=バーニは固まってしまった…。
「いやですわ! イル=バーニ様っっっ!」
 スピーカーから大音量でハディの声が聞こえた。
「私とイル=バーニ様は身分が違うけど…、叶わぬ恋だけど…、お側にいてくれないと
いやぁぁぁぁぁ(T_T)」
 スタジオにいるハディが、画面の向こうのイル=バーニに向かって泣き叫んでいた。
 泣き叫ぶハディはその場で降板。代わりに天国から出張でウルスラがハディの代わりを
務めることとなった。

「では…、アッシリアは放っておいて…。ミタンニ社会党の黒太子さんの事務所、
ワスガンニからの中継です。ルサファさん! お願いします!」
 久々の出番のウルスラ。美声が全国に流れていた。
「はい、こちらワスガンニです。……あの、申し訳ないんですが。中継できる状況ではないです…」
 ルサファがマイクを頼りなさそうに持ちながらオドオド言った。
「どうしてですか?」
「あの…、黒太子さんは落選したのがショックなのか…、黒いチューリップを頭に飾り、
マントを羽織って、正義の味方チューリップマンごっこをしているのです…」
「はあ?」
 事務所の中は、ルサファの言うとおり、黒太子はチューリップを頭につけ
「月に変わっておしおきよー」などとわけの分からないことを叫んでいる。
これ以上関わりあいにならないほうがいいと察したウルスラは、すぐに
次の中継に切り替えた。
「はい、ワスガンニ事務所は放っておきましょう! では、最後にバビロニア平和党の
ナキアさんの事務所から中継です。ミッタンナムワさん、お願いします!」
「はぁ〜い! ミッタンナムワでぇ〜す♪ 私も今日はオシャレして頭にリボンつけてまーす♪」
 つるっぱげのミッタンナムワの頭に可愛らしい赤いリボンが巻き付けてある姿を
想像してもらおう。
「……」
「ミッちゃんは、今日はテレビに出るからオシャレをしてきたのー♪」
 絶句するウルスラにも負けず、ミッタンナムワは両手を頬にあててぶりっ子しながら言った。

 ―――しばらくお待ち下さい―――

 ミッタンのぶりっ子姿が放送禁止コードに引っかかってしまい、放送が一時中断してしまった。
 数分後、ミッタンナムワは降ろされ、変わりにカッシュが中継を伝えることとなった。
「はい、気を取りなおして、まともなカッシュです。ミッタンナムワの代わりに中継を
お伝えします」
「きやあああああ! カッシュかっこいいっ!」
 突然現れたカッシュの姿にウルスラは絶叫してしまった。
無理もない、久々の再会なんだから…。黄色いウルスラの悲鳴もカッシュにしてみれば
嬉しかったようだ。
「あ…ありがとう、ウルスラ。中継を続けるよ。ナキアさん。惜しくも破れてしまいましたが
今のお気持ちはどうでしょうか?」
 ギロっと睨みながらナキアはマイクに向かった。
「全く…皆の者は見る目がないのう…。私が治めれば、一番平和に国が治まると言うのに…」
「どうしてですか?」
「私は水を操る神官。魔法の水で民衆の心は思うがままじゃ! 逆らう者がいないのだから、
戦いだっておきないだろう?」
「なるほど……」
 思わず納得してしまったカッシュ。確かにそう考えればそうだ。
「あーあ、バビロニアにベルサイユ宮殿を建てて、わたしはナッキー=アントワネットに
なろうと思っていたのに……。なぁ、フェルゼン=ウルヒ!」
 こちらもおかしなベルバラごっこをしているようだ。
 ナッキー=アントワネットにはなれないかもしれないけど、頑張ってパソコンを使いこなせば
ナッキー=インターネットぐらいにはなれるであろう!(←意味不明)

 以上、本編と同じくカイルがオリエントの覇権をにぎり、選挙は終わりにさせていただきますっ!