なんちゃって沐浴〜
BYトモミ




 結婚の儀前日、最後の沐浴…
大神殿に未来のタワナアンナことユーリ・イシュタル、
そしてヒッタイト皇帝カイル・ムルシリが姿をあらわした。
 各国の賓客に見守られる中、沐浴の儀式は始まった…
「ユーリ、必ず守ってやるから」
 カイルはユーリを泉の中へ誘った。 
 ユーリは戸惑いつつ泉の中へ入っていった。水の中へ入ると泡がコポコポと沸き、
カイルは瞬間的にユーリを抱きしめた。
 ナッキーの魔力か!?
 しかし泡は少したつと消えていった…
「いったいなんなのだ???」
 カイルは首をかしげた。
 だが! その瞬間、恐ろしい悪臭があたりに、たちこめた。
「うっ!!!!」
 カイルはとっさにユーリを離して鼻をつまんでしまった。
 ユーリの顔を見ると顔を真っ赤にしていた。ユーリは恥ずかしそうに…
「ごめん、便秘で…」
 どうやら未来のタワナアンナさんはオナラをしてしまったらしい。
 神聖な泉でオナラをするとは…と呆れた顔をする皇帝…。
 もちろんナッキーも民衆に混ざって様子をうかがっていた。
「やはり庶民のする事はわからぬ…あんな屁こき娘がタワナアンナなど認められぬ!!」
 ナッキーの怒りも限界のようだ。
 そして、おもいっきり場の雰囲気が壊れてしまっていた。
 民衆は「いいぞ〜!!屁こきタワナアンナ!!」
「どうか我らの屁こきタワナアンナに!!!」
「屁こきイシュタル!!!!」
 などと叫んでいる。
 また新しいニックネームができ愛着が湧いたようだ。
 しかし、歴代王妃で沐浴のとき、屁をこいたのは前代未聞であろう…。
「ユーリ?? トイレはいいのか??」
 カイルも気を使っている。
 ユーリも真っ赤になりながら
「大丈夫よ!!」
 なんともイヤな沐浴の雰囲気である。
 さて、気も取り直して儀式再会!!! すると次は泉が渦を巻いているではないか!?
「ユーリ? やっぱりトイレに行った方がいいんじゃないか??」
 カイルは心配そうに言う。
「これはオナラじゃないわ!!」
 ユーリが叫んだ瞬間…
 ガポリ!!!
 渦の中へ吸い込まれていきそうになった。
 だが、カイルの反射神経の良さで、なんとか手をつかめた!
「ぐっ!!」
 カイルは苦しそうな顔をする。
「ああっ!!」
 ユーリは突然できた渦の中に吸い込まれてゆきそうになる。
「ユーリ! 少し太ったんじゃないか??」
「何言ってるのよ!! こんな時に!!」
 ユーリはブチ切れた!!
 これは女のコにとって禁句用語の1つである。
 軍事でも女性攻略でも誤ったことのないカイルも明らかに攻略ミスである…。
 しかし、こんな忙しいときに横からナッキーが鉄剣を持ってダッシュしてきた!!
「うぉりゃ〜〜!! 絶対タワナアンナはわたさん!! ついでにカイル!!
お前なんぞに皇統は継がせぬ!!」
 その瞬間、ルサファ、ジュダも飛びこんできた!!
「母さまやめて!!」
 ジュダは叫んだ!!
 4人はぶつかった!!
 次の瞬間――赤い液が体に流れていく…
 そしてカイルの手をつたってユーリの口に入っていった…。
「ん???トマトジュース!!!」
 その瞬間 みんなピタリと止まった…
「おお!!いかん、いかん!胸パッドに使っていたトマトが潰れてしもうた!!」
 なんと、ナッキーの巨乳はトマトが入っていたのだ!!!
「母様!! いいかげんにしてください!!!」
 ジュダは真剣な顔をして怒った。
「ジュダ…」
 ナッキーは悲しげな顔をした。
「一体どれだけ迷惑をかけたら気がすむのです! それに、このトマトは
ボクが母の日に植えてあげたものでしょう?? 母様は、このトマトを使って
ミートスパゲティを作ってくれたじゃないか! それをこんなことに使うなんて!!
ひどい!! ボク母さまを軽蔑するよ!!うわ〜〜〜〜〜ん!!」
 なんとジュダは泣き出してしまった…。
「おお!! すまぬ。しかしジュダ?? ほら、ちゃんと作ってきているのじゃぞ」
 そういってスパゲティをジュダの手にのせた。
「母様ー!!!」
 そうしてジュダとナッキーは抱きしめあった。
 なんて感動的な親子愛なんだ!!
 カイルをはじめ民衆の誰もがこの光景に感動した…。
 めでたし、めでたし…


***
トマトネタはねねの続きパロと似てますね。やっぱり血をギャグに発展させるには
トマトしかないのか?(笑)
泡がオナラとは……まあ、生理的なことですからね。
それにしても渦と間違えるほどの大きなオナラだったのか? ユーリ……。
楽しい作品をありがとう。
ねね


[BACK]