***カイちゃんとラムちゃん***

BY まゆねこ

ちいさいカイちゃんと ちいさいラムちゃんが あそんでいました。
「それ なあに?」
「これは オレのペット薔薇犬だよ」
「ふーん いい犬だね」

ちいさいカイちゃんは うちへ かえって いいました。
「ラムちゃんの ような ペットが ほしいよう」
シュッピリどんが たくさんペットを だして くれました。

「こんなペットじゃ ないんだけどな」

カイちゃんは かんがえているうち いいことに きがつきました。

カイちゃんの3隊長 カッちゃん ミッちゃん ルーちゃんをみて
ラムちゃんは
「ずいぶん いいものみつけたね」
と いいました。

カイちゃんは とても うれしくなりました。

そのとき−

2人のガールフレンドの ユーちゃんが やってきたのです。
ラムちゃんは すかさず ユーちゃんに 薔薇の花を わたしました。
「わー きれい。ラムちゃん ありがとう」

カイちゃんは「ラムちゃんは いい花を もってるなあ」
と おもいました。

そして うちに かえって シュッピリどんに
「ラムちゃんの もってるような あかくて きれいで ユーちゃんの
 よろこぶ はなが ほしいよう」
と いいました。
「ユーちゃんが よろこぶんだね?」
「うん。」
「あかい はなじゃなくっちゃ だめかい?」
「ラムちゃんのは あかだけど ぼくのは なにいろでもいいよ。」
「よしよし みつけてあげるから まっておいで」

しばらくして シュッピリどんが カイちゃんを よびましたー
「さあ おいで。あかくて きれいで ユーちゃんが よろこぶ 高い鼻
形のいい鼻だよ。どの 鼻が ほしいか いってごらん」

ちいさいカイちゃんは なきそうになって おこって いいました。
「ちがうよ ちがうよ まるでちがうよ。ぼくの ほしいのは かおにある
鼻でなくて さいている 花だよ」
「ごめん ごめん。これは おおまちがいの トゥシュラッタ」
シュッピリどんは あたまを かきました。

そこで− 
 
シュッピリどんは せっせ せっせ たねまきを してー

おみずを かけてー

それで きれいな 百合の花を そだてて くれました。

カイちゃんの きれいな花を みて ラムちゃんは
「ずいぶん きれいな 花を もってきたね」
といいました。

そのとき−
ユーちゃんが やってきました。
カイちゃんは すかさず ユーちゃんに 百合の花を わたしました。
「うわーい ありがとう。わたしの なまえと おんなじ おはな」
ユーちゃんは カイちゃんに キスを しました。
ちいさいカイちゃんは にこにこしました。
「ユーちゃんが キスするなんて カイちゃんの 花は
 いちばん いい花だね。でも オレには してくれなくて ずるいや」
こうして カイちゃんと ラムちゃんの ライバルかんけいは いまも
つづいているとさ。

(加古里子さく 「だるまちゃんとてんぐちゃん」参照)