***白雪姫編***

「鏡よ鏡、この世で一番美しいのはだれじゃ。」
「はい、王妃さま。それはあなたの義理の娘ウルスラです。」
「なんじゃと、あんな娘の方がわたくしより美しいじゃと。」
「はい、王妃さま。ウルスラはあなたのように小じわもありません。」
ドカッと鏡を蹴飛ばすナキア。これでは気がすまない。と思い側近ウルヒにウルスラを森の奥地
に連れて行き、殺してその心臓を持って来いと命じた。
ナキアに忠実なウルヒ。ナキアの言うとうりウルスラを森へ連れて行った。ところが途中でウルヒは
コンタクトを落としてしまった。ド近眼のウルヒは必死でコンタクトを探した。
 ウルヒがやっとコンタクトを見つけた時にはウルスラはもういなかった。ウルスラはこれを気に
逃げ出してしまったのだ。ウルスラを殺すことに失敗したことがナキアに知れれば、
ウルヒは背中の傷に塩をズリズリすりこまれるだろう。
それが怖くてウルヒは そばにいたイノシシを殺しその心臓をナキアのもとに持って帰った。

 ウルスラは必死で逃げた。義理の母ナキアが自分を嫌っていたのは知っていた。けどまさか
殺そうとするなんて・・・。そこまで私を憎んでいたなんて・・・。そう思うと恐ろしくなってきた。
どのくらい走っただろうか。相当、森の奥まで入り込んだらしい。これからこの森の奥でどうしようか。
だんだん辺りも暗くなってきた。赤みがかった空にはコウモリが飛んでいる。
冷たい風が吹き、木々がザワザワ不気味に鳴っている。怖くなってまたウルスラは走った。
木々をかき分けていくと 小さな小さなかわいらしいお家を見つけた。まるでおとぎばなしにでも
出てくるようなかわいらしい家だった。
 コンコン、ウルスラはドアをノックした。
「ごめんください。私 困ってるんです。どうかドアを開けてください。」
・・・・・反応がない。ウルスラはおそるおそるドアを開けた。どうやら留守のようだ。
家の中は暖かく、テーブルにはたくさんのご馳走がのっていた。
「おなかがすいてどうしようもない。あとで理由を説明すれば分かってくれるわよね。
いただいちゃいましょう。」とウルスラはテーブルの上のご馳走を食べてしまった。
おなかがいっぱいになったら、今度は眠くなってきた。家の中を少し探索してみると
寝室には ベットが7つあった。ウルスラはそのままベットに倒れこみ、眠ってしまった。

 「あ〜あ、今日も疲れた。」とミッタンナムワが言った。
バタバタ、小さなかわいらしいお家にみんな帰ってきたようだ。このかわいらしいお家には
実を言うと7人の小人が住んでいたのだった。名前は五十音順に、イル・バーニ、カイル、キックリ、
黒太子、ミッタンナムワ、ラムセス、ルサファ。随分個性の強い小人達だ。
7人は仕事を終え、食事にありつこうとした。
しかし食事はさっきウルスラがすべて食べてしまったのだった。
「誰だ、全部食いやがったのは!!!おまえかカイル!?」怒るラムセス。
「わたしのわけないだろう。わたしが気にくわないからと言ってすべて私のせいにするのは
やめろラムセス。」
「じゃあ、誰なんだよ。ミッタンナムワ!お前か?まったく食い意地の張った奴だな。
だから糖尿なんだよ。」
「オレのわけないだろう。第一みんな一緒に帰ってきたんだぜ。いちいち人を疑うのやめろよ
ラムセス、悪い癖だぞ。性格悪いぞ。」ミッタンナムワに ここまで言われてしまったラムセス。
「おい、ちょっとこっち来てみろよ。すっげー綺麗なナイスバディの美女が眠ってるぜ。」
とルサファが言った。ナイスバディと言う単語を発しただけで 7人全力疾走でかけていった。
「おい、こんな女知ってるか?」
黒太子がみんなに訪ねた。
「知らん。」他6人は声を揃えて言った。
ぼそぼそ話している声でウルスラは目を覚ました。ウルスラの目に映ったのは 7人の個性豊かな
男達だった。
「ごめんなさい。勝手に上がりこんでご馳走を食べてしまった上にベットで眠ってしまったわ。
本当にごめんなさい。」
ウルスラの素直な言葉に 7人は好感を持ったらしい。
それから ウルスラのかわいそうな身の上話を 7人の小人たちは涙さながらに聞いていた。
めったに気の合わない7人だが この時ばかりは、一致団結しウルスラをここにおいてやることにした。

 次の朝、7人の小人達は、仕事に出かけようとしていた。
「あら、お仕事に行かれるの?みなさんはどんなお仕事しているの?」
7人は声を揃えて言った。
「東京ディズニーランドで7人の小人のぬいぐるみをかぶって子供達と遊ぶ仕事さ。
子供達に夢と希望を与えるんだすばらしいだろう。」
「えっ!あのぬいぐるみの中には、あなたたちが入ってたの!知らなかったわ。」
「どうだ、すごいだろう。」また7人は声を揃えて言った。
「じゃあ、気をつけて行ってきてね。掃除洗濯、お料理、すべての家事はやっておくわ。」
「おまえこそ気をつけるんだよ、ウルスラ。変な人が来てもドアを開けるんじゃないよ。」
7人は東京ディズニーランドへ向かった。7人が行ったあとウルスラは一生懸命仕事をした。
ここを追い出されたら、私には行く所がない。ここに置いてもらわなくては・・・。

 そのころお城の王妃ナキア。またまた鏡に向かって話しかけた。
「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰じゃ?」
「はい、王妃様それはあなたです。...と言いたい所ですが嘘はいけませんね。
一番美しいのは あなたのように小じわにない森の奥にいるウルスラです。」
「な、なんだと。あやつは殺したのではなかったのか?ウルヒウルヒ!」
おずおずウルヒはやってきた。
「ウルヒどういうことじゃ。おまえはウルスラを殺さなかったのか?ええい、あとで塩を
背中の傷にすり込んでやる。それもただの塩ではなく。味塩でな。」
「ひいいいいい。おやめください。ナキア様。」
人になど任しておけない。これは自分の手で殺めるしかない。と思いナキアは毒りんごを作り
老女に変身し、ウルスラのいる森の奥地へ向かった。

 「りんごはいらんかね。あまーい、あまーいりんごだよ。」
掃除も終わり退屈していたウルスラの耳に老女の声が飛び込んできた。
「おばあさん、おいしそうなりんごね。でも私お金持ってないわ。」
「おお、きれいなお嬢さんだ。一つくらいお金なんていらないよ。どれ、かじってみなさい。」
ウルスラは真っ赤な熟したりんごを渡された。たいそうウルスラは嬉しかったらしく
なんのためらいもなくりんごにかじりついた。
 すると 手足はしびれ、意識は遠のいていってしまった。その場に倒れこむウルスラ。
その横では嬉しそうにナキアは笑っている。
「ほほほほほ、これで私は世界一〜♪」と歌いながらナキアは城に帰って行った。

 日も暮れ、7人の小人達が帰ってきた。部屋に入るとなんとウルスラが倒れているではないか
「おい、大変だ。息をしてないぞ。」とラムセス。
「それは大変だ。人工呼吸に心臓マッサージだ。どけ、俺がやる。」とカイル。
「いや、わたくしがやります。カイル様に手をかけさせたくはありません。」とルサファ。
「何を言う、私がやる。」と黒太子。
「いいや、わたしだ。」とイル・バーニ。
「オレもやりたい。」とミッタンナムワ。
「...わたしも...できたら...ちょっとやり..たい。」と小さな声でキックリ。
「カイル、ラムセス、ルサファ。お前らユーリはどうしたんだよ。ユーリ一筋じゃないのか?」
と黒太子がきいた。
「それとこれとは話しが別だ。幸い今回ユーリは出演予定なしだ。」3人声を揃えて言う。
「黒太子、お前こそナディアはどうしたんだよ。」とカイル。
「うっ痛い所を...今や私は婿養子どうぜんの身分だ。肩身が狭くてな。」
寂しそうに言う黒太子。
「おい、これじゃ決まらないじゃないか。どうする誰がやる?こうなったらバトルといくか?」
バトル好きなラムセス。また国立競技場でバトルか?
「いいや、それは困る。バトルとなったら、私が実況中継しなければならない。相棒のハディも
今、里帰りしてるんだ、実況中継ができない。」とイル。
「そうか・・・。」
「じゃあ、人工呼吸ということで。肺活量コンテストはどうだ?」とミッタンナムワ。
「おお、それはいい。そうしよう。」6人賛成したようだ。
 時間の都合上、もう結果に入ってしまおう。1位ミッタンナムワ 7000CC、2位ラムセス 6547CC
3位カイル 6523CC 4位ルサファ 5000CC 5位黒太子 4879CC 6位キックリ 3978CC
7位イル2300CC。の結果である。どうやらミッタンナムワは肺活量に自身があったようだ。
ああ、ウルスラの唇がミッタンナムワに奪われてしまう。それを見ていられないのは
私だけであろうか?いいのだろうか?どうしよう。ウルスラがあぶない!!!(なぜ?)
 そこへ白馬に乗った王子様、カッシュが通りかかった。
「どうしたのだ?みんな集まって。」
かくかくしかじか、カッシュに事情を説明した。
「それは大変だ。早く人工呼吸しなくては。幸い私は 救急救命士の免許を持っているんだ。
どけ、私がやる。」
さすが救急救命士、手際の良さでウルスラは息を吹き返した。
再び目を覚ますウルスラ、彼女の目に最初に映ったのはカッシュの姿だった。ウルスラは自分の
命を救ってくれたカッシュに 一目惚れしたようだ。またカッシュもウルスラの美しさと
ナイスなバディに惹かれたようだ。二人はその場で婚約し、ウルスラはカッシュの治めるカッシュ王朝 
の王妃となりたくさんの子宝に恵まれ、幸せに暮らしましたとさ。

♪おまけ
「おい、俺達は一体、肺活量なんか測って一体なんだったんだ?」とラムセス。
「まあ、いいじゃないか。春の健康診断が少し早まったと思おうぜ。」と黒太子。
「さあ、明日もディズニ―ランドで子供達が待っている。頑張ろうぜ!」とカイル。
「そうだな。」6人は納得して、7人仲良くかわいらしいおうちに入り仲良くおねんねしましたとさ。