***羅城門〜その後〜***


 羅城門を後にしたラムセス。
まずは ナキアから剥ぎ取った衣服、アクセサリーを質屋に売った。
質屋の主人、ミッタンナムワは 高い値でそれらを引き取った。
まずは身だしなみから整えようと思った彼は、ブティックに行って 薔薇のジャケットを特注した。
その他にうすいピンク色のワイシャツ、薔薇模様のネクタイ・・・というようにすべてを薔薇で統一した。
 すっかり盗人の味を占めたラムセスは 次々と泥棒を繰り返した。エジプトだけでなく
ルーブル美術館、スイス銀行、ティファニーなどの世界各地の貴金属店、美術館、銀行・・・と
盗みを働いた。 世界有数の泥棒となり世間の呼び名も ラムセーヌ・ルパンとなった。
ルパンと言われたからには、次元や石川五右衛門もいなくてはならない。
ラムセスは カッシュを次元に、ルサファを石川五右衛門にスカウトした。

「ルパン、次の仕事はなんだ?」次元カッシュが言った。
「次は 今、日本で行われている古代エジプト展にしようと思っている。
古代エジプト展では、この俺様を首にしやがった ホレムヘブの石像があると言う。
そのホレムヘブの石像に ヒゲを書きに行く。そのついでに価値のありそうな 展示物を盗む。
どうだ?次元、五右衛門?」
「しょうがねえな、付き合うとするか・・・。」次元カッシュは賛成した。
「私は降りる。おぬしの計画は 破天荒過ぎてついていけん。」五右衛門ルサファはどうやら
賛成しなかったようだ。
「あたしも 加えてよ。ねぇ、ルパン。」
3人の背後から 女の声がした。忘れてはならない 峰不二子ユーリだ。彼女もこの計画に
乗り気にようだ。
「実は私、古代エジプト展の深夜セキュリティーシステム解除のパスワードを知ってるのよ。
私を仲間に加えれば ホレムヘブにヒゲを書けること間違いなしよ。ねぇ、入れてルパ〜ン。」
ブリブリ不二子ユーリはラムセスに頼み込んだ。
「かわいい、ユーリの頼みなら勿論OKだ。」なんのためらいもなくラムセスは 首を
縦に振った。問題はさっき首を横に振った五右衛門ルサファだ。
「ねぇ、五右衛門も一緒にやりましょうよ。」
「は、はい。ユーリ様の頼みとあれば この副近衛隊長ルサファ、全身全霊をかけて
不二子ユーリ様のお命をお守りします。」
どうやら、五右衛門ルサファも賛成したようだ。

 古代エジプト展が行われている会場前には 日本の警察がラムセース・ルパン一行が
来るのを待ち構えていた。
「ルパーン。今度こそ逃がしはせんぞ。日本男児の意地にかけて、今日という今日は
必ず逮捕してやる。覚悟しろ、ルパーン。」
黄土色のコートに、ヨレヨレの帽子をかぶった銭形カイルが言った。
カイル達、日本の警察がラムセスを張っているのも空しく、不二子ユーリのおかげでラムセス達は
簡単に中に入ることが出来た。古代エジプト展に侵入したラムセスは早速
黒のマジックインキ(油性)で ホレムへブの石像にひげを書いた。
ラムセスはすっかり満足したようだ。ユーリや次元たちは 展示物を次々に運び出している。

「そこまでだラムセース・ルパン、次元カッシュ、五右衛門ルサファ、不二子ユーリ。
逮捕だぁ。」銭形カイルが叫んだ。
「やべ〜、とっつあんだ。逃げろ〜。」
銭形カイルは部下の警官たちにラムセス達を捕まえるよう命令した。
しかし、ルサファ、カッシュ、ミッタンナムワという優秀な部下がいないからだろうか?
ラムセース・ルパン一行を逃がしてしまった。・・・いや、すべてのメンバーを逃がしてしまった
わけではない。不二子ユーリだけは よくばって展示物を持って逃げようとしたせいか
銭形カイルに捕まってしまった。
 
 どうやら銭形カイルはラムセース・ルパンは逮捕できなかったが 不二子ユーリのハートは
逮捕できたようだ。銭形カイルについては めでたしめでたしとしよう。

 その後ラムセスはどうしたかというと・・・。
とりあえず彼は 羅城門に戻った。ラムセスがこれだけ大物の盗人になり
大金持ちになれたのは すべてこの羅城門での出来事(ナキアの言葉)が始まりだった。
彼は羅城門に感謝の意を込めて 羅城門の修復作業を行うことにした。
まずは羅城門に 薔薇をくもの巣のように絡み付けた。また羅城門内を一面薔薇を敷き詰めた。
羅城門内に一角には カフェテラスも建設された。このカフェテラスの名物の一品は
勿論ローズティーだ。別名ラムセスティーとも言う。
 いつの日からだろうか?この羅城門は薔羅城門(ばらじょうもん)、または羅武世好門(ラムセスもん)
と名前を変え 後世にも名を残し、世界有数の観光名所となりましたとさ。

おわり♪