赤髪の白雪姫2次小説
かくれんぼ


前半は携帯のない時代の待ち合わせの不安な気持ちを白雪に投影させてみました。
後半はゼン白のしっかりR18です。宮廷薬剤師になってすぐあたりの設定です。

1.待ち合わせ

 白雪は焦っていた。
 ここ数日、朝晩寒くなったせいか、今日は急患が多かった。
それに加えて、薬室長から頼まれた仕事も予想以上に多く、これでは定時に仕事が終わらないかもしれない。
 白雪は時計をちらっと見る。今日は仕事が早く終わると思って、
ゼンと早めの時間に会う約束をしてしまった。この調子だと、15分いや、30分ほど遅刻をしてしまうかもしれない。
そういうときは、いつもオビに連絡を頼んだりしたものだが、あいにく、
今日はオビも王宮の外に用事があり不在だった。
 第二王子付伝令役という役目がなんて重要で、今日こそ惜しいと思った日はなかった。
 それでも手際よく仕事をこなせば少しでも待ち合わせに早く行けるかもしれない。
白雪はそう思い、目の色を変えて必死に仕事を片付ける。
「薬草園に薬草取りに行ってきますね」
 白雪は席を立ちあがった。
「あ、白雪さん。今日はオビさんもいないし、薬草の量も多いから一緒に
行きますよ。あともう一人……」
 リュウが薬草園での薬草採取を手伝ってくれると申し出てくれた。
今回は採取する薬草の量が多いので、もう一人、同期のヒガタも一緒に助っ人で行くことになった。
 白雪はリュウ、ヒガタの男性二人よりも前に立ち、先陣を切って速足で薬草園に向かった。
薬草園では手早く正確に薬草を採取し、少しでも早く仕事を終わらせようと必死であった。
「ひととおり薬草が採取できたので、私、一回戻りますね」
 籠に山盛りの薬草を抱えて、白雪は薬室へ帰ろうとした。
「えっ? ちょっと待って、白雪さん。僕たちも戻りますから」
 リュウとヒガタは必要な薬草を急いで採取し、白雪の後をついていった。
 白雪は行きと同様、先頭に立ちずんずん速足で進んでいく。速足というか、
もはや走っているようなペースであった。リュウはもちろん、
成人男性のヒガタの足でも追いつかないくらいのペースである。
リュウとヒガタは小走りになりながら白雪の後ろで顔を見合わせる。
「白雪さん、白雪さん! ちょっと待って!」
 ヒガタがズンズン進む白雪に声をかけた。白雪は名前を呼ばれ足を止める。
「白雪さん、今日はどうしたんですか? そんなに急いで」
 リュウが息を切らせている。白雪はハッとして立ち止まり振り返る。
「すみません。私……早かったですか?」
 白雪自身、焦る気持ちがあまりにも強かったため、速足で歩いているという自覚はなかった。
二人に呼び止められてようやく男性陣二人がついて行けないくらいの速さで歩いているということに気づいた。
「歩くの早すぎです。白雪さん」
 リュウの息がやっと整う。
 その傍らでヒガタが薬草の入った籠を手に少し考え込んでいた。
仕事に真剣でかつ落ち着かない白雪を見てあることに気づく。
「白雪さん、もしかしたら……この後、ゼン殿下と約束しているんでしょう」
 白雪は図星され一瞬表情を固める。
「ああ、だからこんなに急いでるんですね。今日はゆったり仕事できる予定だったけど、
急患も多かったし、薬室長が雑用を白雪さんに押し付けたりして、忙しそうでしたものね」
 リュウもヒガタの言葉に納得する。
「えっ、いや……その…なんていうか……」
 白雪は言葉を濁す。本当のことを答えていいのかどうか迷っていた。
「白雪さんの気持ちわかりますよ〜。前の職場でのことですけど、
彼女と待ち合わせした日に仕事が終わらない時があって……、本当に困るし、焦るし。
もう目の前にあることに真剣にならざるをえないっていう気持ちが!」
 ヒガタが昔を懐かしむように少し遠くを見つめる。
「へぇ〜そんなもんなんですか?」
 その気持ちがイマイチ理解できないリュウがヒガタを感心するように見つめる。
「そのうちリュウにもその気持ちがわかる日がくるよ」
「はぁ」
 薬室では上司であるリュウだが、そういう気持ちの理解はヒガタのほうが断然上であった。
「そうか、今日はオビさんもいないから、殿下に連絡もできないんですね」
 リュウが更に納得する。
「うっ!」
 更に図星された白雪は言葉に詰まる。
「何時からゼン殿下と待ち合わせしてるんです?」
 ヒガタは優しく白雪に語り掛ける。仕方なく、白雪はゼンとの待ち合わせの時間を小さな声で告げる。
「あと5分じゃないですか! 白雪さん。もう勤務時間は終わってますし、ゼン殿下の所に行ってあげてください」
 ヒガタは時計を見て焦る。
「え、でも……」
「今日の仕事の遅くなった一番の原因は、薬室長が無理な雑用を白雪さんに
押し付けたせいです。もう終わりにしていいと思いますよ」
 リュウも仕事を終わらせていいというが、ゼンとの待ち合わせは私用だし、
相手が王子だというのもなんだか後味が悪い。
焦っている自分の姿をこの同僚たちに見せてしまったのは失敗だと思った。
「あ、じゃあ。お言葉に甘えて……本当にすみません。あとでまた薬室に行きますね」
 白雪は二人の同僚に丁寧に謝る。
「ええ、本当にいいよ。あとは俺たちがやりますから」
「そうですよ。こういうときはお互い様です」
 二人のやさしい同僚が白雪を送り出してくれた。


***

 待ち合わせ場所の庭園に10分遅れて白雪は行った。
 ゼンの姿はなかった。彼もまだ仕事が終わらないのだろうか? 
白雪は少しその場で待つことにした。
 季節は秋と冬の間。昼間は太陽が出ていれば暖かいが、
ここ数日、朝晩は急に冷え込むようになった。確実に冬に向かって季節は流れている。
夕暮れまでにはまだ少し時間があるが冷たい風が白雪に吹き付けていた。
「遅いなゼン……」
 白雪は懐中時計を見る。10分ほど待ったが、白雪自身も10分遅れたので
待ち合わせの時間からは20分ほどたっている。ゼンの姿は見えない。
いつも待ち合わせをしても、10分、20分遅れてくることはよくあることだった。
白雪はそのまま待つことにした。
 更に15分待ったが、ゼンの姿は見えなかった。まだ明るいが、だんだん日も落ちていた。
ヒガタたちに送り出されて、直接来てしまったから制服の……白衣のままだった。
吹き付ける風は更に冷たくなったような気がする。白雪はぶるっと身震いした。
一度、薬室に戻ってストールでも持って来ようかと思ったが、その間にゼンが来てすれ違いになっても困る。
もう少しだけ待ってみよう。白雪は寒さを我慢して待つことにした。
 それからしばらく待っても、ゼンが来る気配は全くなかった。
 ――白雪は不安になった。
 もしかしたら、日にちを間違えた? 今日ではなかったのではないか? 
それとも時間を間違えてしまったか。こんなにゼンが来ないなんておかしい。
自分が勘違いして日にちか時間を間違えたのかもしれない。あと10分待ったら帰ろう。そう思った時だった。
「しーらーゆーきー! 白雪!」
 ゼンの声がした。
 遠くで手を振っているゼンの姿が見えた。
「ゼン! よかった。私、日にち間違えたかと思っちゃった」
 よかった。日にちも時間も間違えてなかった。ゼンが来てくれて本当によかった。
「何でこんな所でずっと待っているんだ!」
 ゼンは走って白雪の元へ行く。
「ゼンが来てくれてよかった」
 心配そうに近づくゼンとは裏腹に、待ち合わせ場所に来てくれた嬉しさで笑顔の白雪。
「もしかしてずっとここで待ってたのか? 薬室に行ったら一時間近く前に出て行ったって言われたんだ」
「ううん、私も少し遅れてきたから……。そんなに待ってないよ」
 白雪はまだ笑顔である。だが、白雪の鼻は寒さで少し林檎色になっていた。
「少しじゃないだろ。待ちあわせの時間から一時間近く経っているじゃないか!」
「……」
「ほら、手だってこんなに冷たい。肩も……」
 白雪はギュッと手を握られる。確かに、自分に比べゼンの手は湯たんぽのように温かい。
「ん…大丈夫」
 白雪は笑顔で答える。
「いや、一番悪いのは俺だ。執務でどうしても抜け出せなくて……すまない。今日はオビがいないから連絡も……」
 ゼンはまだ遅れてきたことに謝っていないことに気づく。
「そう! そうなの! 私もオビがいなくて困ったの。実は薬室の仕事も押してて時間通りにおわらなくて……」
 白雪は、第二王子の伝令役であるオビがどんなに重要な存在であるかゼンに語った。
「そうか。今日は俺たちがオビにどんなに頼っているか確認できた日になってしまったな」
「そうだね」
 二人は顔を見合わせて笑った。
 すると、遠くの方から二人の耳に聞き覚えのある声が微かに聞こえた気がした。
ゼンの名前を呼んでいるようである。
「ゼーン、ゼン殿下〜」
 声の主はミツヒデであった。
「ミツヒデの奴、もう迎えに来た。まだ時間はあるはずなのに……」
 ゼンは悔しそうする。
「また、仕事に戻るの?」
「ああ、でもまだ時間はあるはずだ……、よし、ミツヒデから逃げよう!」
 ゼンは白雪の冷たくなった手を取り、王宮の廊下へ入ってゆく。
「鬼ごっこだね」
 ミツヒデさんには悪いが、少しだけこの鬼ごっこに付き合ってもいいかなと思い、
白雪はゼンの後を着いてゆく。
「これは鬼ごっこというのか?」
 庶民の遊びを知らない王子様が尋ねる。
「うん。ミツヒデさんが鬼で、私たちが逃げるの。鬼ごっこだよ」
「そうか、じゃあ鬼ごっこ開始だ!」
 二人は王宮の迷路のような廊下へ入っていった。



2.かくれんぼ

 二人は王宮の奥の廊下へと入っていった。ミツヒデは二人の後をしっかりと追いかけてくる。
「ゼーン、ゼン殿下ー!」
 ミツヒデの呼ぶ声が二人の後ろから聞こえていた。
「ミツヒデの奴、しつこいな……」
 ゼンは不機嫌そうにする。
「何か重要な用事とかじゃないの? 大丈夫?」
 白雪は心配する。
「いや、多分急かされている執務があるから早く戻れというだけだ。今日中で大丈夫なはずだ」
 ゼンは白雪の手を取り、廊下を進んだ。
「おっと、行き止まりだ!」
 廊下の角を曲がったところで、そこは行き止まりであった。
 後ろからはミツヒデのゼンの呼ぶ声がする。
「じゃあ、この鬼ごっこはミツヒデさんの勝ちだね」
「いや、負けない!」
 行き止まりの壁を見ると、隣に扉があった。物置だろうか? 
ゼンは扉に手をかけ、そっと押す。扉は静かに開いた。
「よし、ここにかくれよう」
 ゼンは白雪を連れて、扉の中に入る。
「今度はかくれんぼだね!」
 白雪は子供の頃に戻ったようで少し楽しくなってきた。

 白雪を連れて扉の中に入ると、そこはやはり物置のようだった。
狭い空間に使わなくなった棚や掃除用具などの備品がいくつか置いてあった。
人が2,3人なんとか入れるスペースがあったので、ゼンと白雪はその狭い空間に身を潜める。
白雪を壁側にして彼女を守るように肩に手を添えて立つ。
そうすると、白雪はゼンの胸に体を預けてきた。お互いの体がかなり密着し、ゼンの心臓は早鐘が鳴る。
「ゼーン、どこだ〜?」
 ミツヒデの声が近づいてきた。ゼンは唇の前で人差し指を立て白雪に喋らないよう合図を送る。
「あれ、行き止まりだ。おかしいなぁ。こっちのほうで姿が見えたのに……」
 ミツヒデの足音が遠ざかる。
 二人は体を密着させたままそのまま息を潜める。
 白雪はゼンの胸に手を添えて彼のシャツを握る。もう片方の手はゼンの背中に回し、
ゼンの胸にピタリと顔をつけ寄りかかる。赤い髪からふわりと甘い香りする。ゼンはゴクリと唾を飲み込んだ。
「もうミツヒデさん行ったかな?」
 白雪がゼンの胸の中で呟く。
「ミツヒデはもういい……白雪、こっちを向け」
「ん?」
 呼ばれた白雪は何気なく顔を上げると、すぐ目の前にゼンの顔が迫っていた。
何も喋る間もなく唇を塞がれる。軽いキスだと思いきや、強く唇を吸われ口の中を舐めまわされる。
突然のキスに白雪は対応しきれず、口の端からゼンものか自分のものか分からない唾液が一筋漏れる。
「な、なに? 突然どうしたの?」
 唇が少し離れたときに、白雪は驚きゼンの顔を見る。
「白雪が……誘ってきたんじゃないか…」
 再び熱い唇が重なり、白雪の白衣のボタンに手がかかる。第三ボタンまで外され、
その下に来ている服もまくり上げられ胸を揉まれる。
「誘ってなんか…ないよ…、こんな所でダメ!」
 ここは王宮の廊下の物置でいつ誰が通るかわからないのだ。
こんなところで、もし誰かに見つかったら大変なことになる。白雪は抵抗したが、
しっかりと腰に腕を回され身動きが取れなかった。
「我慢できなくなった。このまま白雪と…する!」
「こんな狭い所でどうやって……」
 白雪は息を切らせ、ゼンの顔を見つめる。
「俺に任せて……、白雪は……声を上げなければいい」
 先ほどは欲望に任せて乱暴にキスしてしまったが、今度はゆっくりと優しく唇を重ねた。
唇を離すと、うっとりした表情で白雪がこちらを見つめている。
壁を背にして呆然と立っている白雪の胸元に屈み、
白衣の隙間から覗く桜色の頂にそっと口づける。もう片方の手で胸をやさしく揉むと、
必死に声を我慢する白雪の苦しそうな顔がチラリと見えた。
「もう…そこはだめ……声がでちゃう……んんっ」
 桜色の頂を指で弄んでいたら限界が来たようだ。白雪が声を漏らす。
「わかった。あまり時間がかけられないからな……じゃあこっちはどうかな?」
 ゼンは白雪の膝に手をかける。膝から内股にかけて上方へなぞり白雪の中心に辿り着く。
「んっ!」
 白雪は小さな声を上げる。
「濡れてる……。白雪もしたいんじゃないか……」
 ゼンは嬉しそうに笑った。白雪の秘部は充分に潤い、密壺から愛液が滴っていた。
ゼンは潤った花弁に触れ、やさしく円を描く。白雪の身体は喜び、密壺からどんどん愛液が溢れ出し、
ゼンの指をグッショリと濡らしていく。充分に潤ったところで、密壺に指を一本挿入した。
「ああっ、んっ」
 声を立てそうになった白雪の口をゼンは唇で封じた。
「もう挿れるよ……」
 白雪の耳元で小さく囁く。
「どう…やって……?」
 白雪が息を切らせてゼンに問う。このままの姿勢でどのように挿入するのか、まだわからないらしい。
 ゼンは白雪の右の太腿を上げる。膣口がこちらへ向くよう白雪の腰を少し前の位置にし、
背中はぴったりと壁につける。少し屈み、白雪の花弁に己の肉棒をあてがい充分に潤った密壺の中に一気に押し込んだ。
「あああっ…んっ」
 白雪が大きな喘ぎ声を上げたので咄嗟にゼンは彼女の口を手で塞ぐ。
「声は……少し我慢してくれ……」
 ゼンは白雪を下から何度も突き上げた。
その度に声を我慢しなくてはならない白雪の表情は苦しそうであるが、色っぽくもあった。

 白雪は最初何が起こったのか理解できなかった。
まさか立ったままの姿勢で挿入されるとは思わなかった。右足を抱えられた状態で下からゼンが何度も突いてくる。
その度に快感が押し寄せ足がガクガクしてきた。左足はつま先立ちで殆ど地に足を付けていない状態で
下から突き上げる度に壁に背中が何度も打ち付けられる。
挿入はさほど奥までついていないような気がするのに、いつもと全く違う姿勢に白雪は意識がなくなりそうになる。
「白雪っ、イクよ!」
 ゼンの欲望を白雪の中に放出した。動きが止まり、肉棒が花弁からズルリと抜ける。
それと同時に、ゼンの精液と白雪の愛液の混ざった液体が、白雪の太腿をゆっくり伝わる。
「ゼンが……いっぱい出てきた。どうしよう。何も…拭くもの持ってない……」
 壁に寄りかかったまま息を切らす白雪。重力にならって、ゼンの精液は殆どすべて白雪の外へ出ていた。
「俺がハンカチを持ってるから拭いてやる」
 ゼンが白雪の足元に屈む。白雪の足首から太腿にかけて、
愛液と精液の混ざった液体をゼンはゆっくりと上に向かって拭いてくれていた。
「自分で…やるよ……ああっ……」
 内腿のまだ敏感な場所を触られ白雪は声を漏らす。
一通り拭き終わり身支度を整えたゼンは白雪をゆっくりと座らせる。
「大丈夫か?」
 白雪の赤い髪を抱き寄せ、ゆっくりと頭を撫でる。
「う……ん」
 やっと息の整った白雪は静かに答える。
「動けるか? 抱えていこうか?」
「だい…じょうぶ」
 白雪は首を横に振る。
「動けそうだったら外へ出よう。もうかくれんぼは終わりだ」
 まだ足元のおぼつかない白雪の手を取り、二人はかくれんぼを終えた。


♪おわり


【あとがき】
前半の携帯電話のない時代の待ち合わせって、こんな感じでしたね〜。
相手が来ないと、自分が時間を間違えたのではないかと不安になってしまう(笑)
今なら通信手段が色々あるのでこんな経験なかなかないですよね。
かくれんぼのR18は48手でいくと「たちかなえ」のポーズになります。

エルシーラブコスメッテックさんの特別企画特集。たのしい48手教室を参考にしました。

ラブコスメ たのしい48手教室

http://www.lovecosmetic.jp/set/48te/teku/48te_35.html






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