赤髪の白雪姫2次小説
木々の朝顔観察日記


特に意味はない日記です。さらっと読んでください♪

「みんなに朝顔の種あげる。簡単に育てられるから、もしよかったら育ててみて」
 5月のある日。
 白雪はゼン、オビ、ミツヒデ、木々の各々に袋に入った種を渡した。
「へーえ、朝顔か。育てたことないなぁ〜」
 ゼンは種の入った袋を見つめる。
「朝顔なんて王宮にあまり咲いてないものね。たまには庶民的な花もいいでしょ?」
「うんうん、白雪から貰った種なら大事に育てるぞ」
 ゼンは白雪からのプレゼントに上機嫌であった。
「俺は朝顔なら小さい頃、育てたことありますよ、お嬢さん」
「私も朝顔が咲いているのは見たことあるけど、育てたことはないな」
「俺も」
 木々とミツヒデも朝顔の種は初体験のようである。
「どうやって育てるの? 水やりの間隔とかコツはある? 白雪」
「あります。木々さん。双葉が出て本葉が数枚出てきて、つるが伸びてきたら棒を立てるんです」
「ふーん」
 木々が頷きながら熱心に聞いていた。
「そうだ! みんなで朝顔の観察記録をつけないか? 夏に向けてきれいな朝顔が咲くように
みんなで観察日記をつけるんだ」
 ゼンは名案だと信じているのか満足そうな笑顔だった。みんなを見つめて大きく頷き王子様はご満悦である。
「すごい! 観察日記つけてくれるの!?」
 白雪はゼンの提案に驚く。
「ああ、みんなで記録して報告させよう!」
「えっ! 俺はいいです。自由気ままに水やりして、お嬢さんの朝顔育てたいんで遠慮しますね」
 オビが後ずさりしながら、ゼンの提案を断る。
「私はやってみようかな、朝顔の育て方、教えてね。白雪」
「俺もやろうかな。よろしく、白雪」
 木々とミツヒデは乗り気であった。
「はい、木々さん、ミツヒデさん」
 白雪は早速みんなに種の巻き方を教える。
 ゼンをはじめ、みんな熱心に白雪の説明を聞く。
 朝顔に興味を持ったのか、木々がその中でも一番熱心に話を聞いていた。

 以下に木々の朝顔観察日記を記す。


***********************

5月○日 天気 晴れ

朝顔の種を鉢に蒔いた。色は赤紫。念のため2個蒔く。

種は白雪に言われたとおり、人差し指の第2間接の深さに蒔いた。水も忘れずにやる。   
    


「さすがは木々、真面目な観察記録だな」
 木々の朝顔観察日記を見てゼンが頷いた。
「……」
 ゼンは褒めたつもりであったが、木々は無表情で何も言葉を発しなかった。

5月△日 天気 曇り

双葉が出た。大きさは2p、高さは1p。
雨が降りそうなので水やりはやめた。
隣のミツヒデの朝顔はまだ芽が出ていない。水のやりすぎだと思う。
雨が降りそうなのにまたミツヒデは水やりをしていた。
 


「おい、木々! なんだよこれ!」
 翌日。
 ゼンに提出した木々の観察記録を見てミツヒデが叫んだ。
「何が?」
「水のやりすぎだってわかっているなら教えてくれてもいいだろう!」
「別に……止めることもないと思って……」
「止めてくれよ、木々! 俺の朝顔はまだ芽がでていないじゃないか!」
 ミツヒデが情けない顔で木々に訴える。
「まあまあ、ミツヒデさん。もし芽が出ないようでしたら、また種をさしあげますから……」
 白雪が二人を見て苦笑いしながら言った。

6月□日 天気 雨

本葉が1枚出た。直径は2p3oほど。高さも5pほどに成長する。色は双葉よりやや濃い。以上。

「なあ、木々。もう少し日記に感情があっていいんじゃないかな?
本葉が出て嬉しい!とか……。その時の自分の気持ちを入れたらどうだ?」
 木々の観察日記を見てゼンが呟く。
「別に……時間がたてば成長するのは当たり前だから……特に何も……」
 木々は表情を変えずに答えた。
「そ、そうか……」
 ゼンはそれ以上何も言えなかった。

 どうやら木々の日記は彼女と同じくらいにぶっきらぼうらしい。

6月☆日 天気 曇りのち雨

本葉が3枚にふえたので棒ををたてた。高さは10p。
隣のミツヒデの朝顔はやっと小さな芽が出てきた。かわいそうだ。

「おい木々! 俺の朝顔がかわいそうってどういうことだ!?」
 ミツヒデが聞きの日記を見て叫んだ。
「え? 日記の最後に自分の気持ちを入れた方がいいって、ゼンに言われたから書いたんだけど……」
 木々が素っ気なく答えた。
「あのなぁ、木々っ! 感想というのは自分の朝顔に対して書くんだ! 俺の朝顔はどうでもいいんだよっ!」
 必至なミツヒデとは裏腹に、木々は涼しい顔をしていた

7月◇日 天気 晴れ

本葉も7枚に増えた。つるの長さも10pに成長した。
隣のゼンの朝顔も同じくらい順調に成長している。ゼンのつるが絡まって邪魔。

「ちょっとちょっと、主ィ〜、木々嬢の朝顔に絡まるってどういうことです? 
まったくいやらしいんだから!」
 木々の日記を見たオビが言った。
「別に好きで絡まったんじゃない! 木々、俺の朝顔はどうでもいいんだ。
自分の朝顔の感想を書け! なっ!」
 ゼンの笑顔が引きつる。無言で木々は頷いていた。

7月●日 天気 晴れのち曇り

つぼみが2個できた。明日の朝には咲きそう。つぼみは左巻きだった。ゼンの頭と同じ。

「うがー! 木々っ! 俺の頭と同じってどういうことだ!?」
 ゼンが木々の日記を見て怒る。しかし木々は冷静であった。
「ゼンやミツヒデが自分の朝顔に対して感想書けって言ったから、考えて書いたんだけど……」
 顔色を変えずに木々が答える。
「おっ、木々嬢。ちゃんと観察日記に感想書けるようになったじゃないですか。
よかったですね」
「よくないぞ、オビ! 俺の頭が左巻きってどういうことだっ!」
「え? そのままの意味じゃないんですか?」
「うがー! 木々〜、オビ〜!」
 ゼンの怒りは収まらない。


7月☆日 天気 晴れ

今日の朝、薄紫色の花が咲いた。
隣のゼンの朝顔は赤い花が咲いている。
白雪の赤い髪と同じ色の花が咲いて、ゼンは嬉しそうだ。
私の薄紫色の朝顔を見て、ミツヒデが「木々に似合う色だ」と言った……。

「木々、この続きはどうなんだ? 
ミツヒデが朝顔を見て、木々に似合うって言ったんだろ? 
木々はそれを聞いてどう思ったんだ?」
 日記を見て、ゼンは優しく木々に聞いた。
「……」
 木々は相変わらずの無言無表情であった。
「いいじゃない、ゼン。そんなに無理やり聞かなくても。
きっとミツヒデさんも木々さんもわかってるよ」
 白雪が穏やかに言った。
「そうですよ、主と同じ左巻きのつぼみが綺麗に花を咲かせてよかったじゃないですか」
「俺と同じは余計だオビ!」
 ゼンは口を膨らませる。
「花がしぼんでも種ができるまで、朝顔観察日記は続きますね!」
 白雪が笑顔で言った。
「そうだ、主。お嬢さんと同じ髪の色の朝顔の種、俺にも下さいよ。
俺の朝顔は水色だったんですよ」
「嫌だ、オビなんかにやるもんか!」
「ゼン、俺にもくれ……。俺の朝顔は水のやりすぎで枯れてしまった……」
 ミツヒデが暗い顔で言った。
「ミツヒデにならいいぞ。白雪と同じ髪の色の花の種をやろう」
 花が咲かなかったミツヒデには少々同情を表すゼンであった。
「ミツヒデの旦那は木々嬢から紫色の種を貰えばいいでしょう!」
 オビが不満そうに頬を膨らませていた。
「み、みんな……朝顔の種だったらまたあげるから……。何色の花が咲くかはわからないけど……」
 白雪が苦笑いしながらみんなを慰めた。

 木々は素直な気持ちを日記に書けるようになるのか?
 朝顔の観察日記はまだまだ続きそうである。




♪おわり


この観察日記は当サイトに乗っている別作品の日記をパクリ……いえ、参考にしました。
きっと身分の高いゼン達は朝顔なんて育てたことないだろーなと思い書きました。
わざと小学生の日記調にしてみました。
朝顔の観察日記の宿題がある方はどうぞ参考にして下さい(嘘)。
上の朝顔のアイコンがお気に入り〜。




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