ある意味すごい
ねねの職場には意地悪だけどちょっと間の抜けた変なおばちゃんがいる。
病院では禁句もはずの「死ぬ」という言葉をしばしば私たち下々の者に投げつける。
私はもう4年以上になるので慣れたというかマヒしてきているのだが、
実習生なんかはよくウルウルしている。
これは手術前の患者さんを検査しているときのこと。
患者「手術したってダメなんです。もうガンなんですから……」
70代女性患者。かなり意気消沈。検査を続けるにも一苦労か。
ババ「何言ってるんですか! 病気になった人がね先に死ぬなんて
決まってないんです。健康な人だって明日何があるかわかんないんですから!」
うおおぉぉ! 禁句言ってるよ。禁句。すげ―説得方法。(ねね心の声)
患者「そーですねぇ」
ババ「そうですよ。年いった人から死ぬとも決まってないんです。
もしかしたらこの部屋で一番若いあの子が先に死ぬかもしれませんよ」
ええっ; ̄ロ ̄)!!私? 私ですか?
私が一番先なんですか?(ねね心の大声)
ババ「もしかしたら今日の帰り交通事故にあうかもしれないし」
患者「交通戦争っていうくらいですからねぇ」
ええっ?; ̄ロ ̄) 私、交通事故にあうの?(ねね心の小声)
ババ「病気になった人が先に死ぬなんて決まってないんです。
○○さん(患者の名前)は悪いところが見つかってよかったじゃないですか」
患者「そうですよね、病気になったからって先に死ぬってことないんですよね。
ありがとうございます。なんか元気が出てきました」
ねね、その場の勢いに任せて患者さんに向かって首を縦に2回振る。
この説得方法でババがするのを3回くらい見たことあるけど、
今のところ一度として失敗はしていない。三発三中である(確率的には100%)。
禁句連呼しての説得方法。患者を納得させてしまうのだから(注;同僚犠牲)、
ある意味すごいかも。
ババにだからできるのであろう……。