***3号続き***


 王太后に会いたいがために、ラムセスと結婚式を挙げることとなってしまったユーリ。

「いやよー! ラムセスと結婚なんて!」
「まあ、ユーリ様ってば、照れちゃって…。大丈夫ですわ。ご衣裳は、ラムセス家の名に
恥じぬよう、立派な物を用意致しますから」
 ネフェルトが得意げに言った。
「ちょっと待って! その衣装って…」
「もちろん、胸だし薔薇ドレスのウエディングバージョンですわ♪」
 側にいた女官が、にこやかに言った。ネフェルトも頷いている。
「いやあああああ! 私は結婚式には純白のウエディングドレスと、
小さい頃から心に決めていたのにー! 胸だし薔薇ドレスなんて絶対イヤよー」
 ユーリは泣き叫んだ。
 困った顔をしたネフェルトとその女官達。
 女の子の夢……結婚式。
ユーリの夢も叶えたいが、何と言ってもラムセス家のシンボル、
『薔薇』は欠かせない……。
 ネフェルトをはじめ、ラムセス家の女性達は、難しい表情をしていた。

 嫌がるユーリの気持ちもそっちのけで、結婚式の準備は着々と進められた。
 結婚式当日。ナイルのほとりの薔薇ドームで、ラムセスとユーリの結婚式は
行われることとなった。
「さあ、ユーリ様。衣装ですわ。早くお召しくださいませ」
「いやよー! 胸だし薔薇ドレスなんて絶対に着ないわー」
 泣き叫ぶユーリの目の前に出された衣装は、薔薇ドレスと思いきや…
純白の柔らかなレースのついた、質素なウエディグドレスだった。
このドレスなら、二十世紀の結婚式で着ても大丈夫だというくらいのものだ。
「ユーリ様のご意志を尊重して、胸だし薔薇ドレスはやめましたの。
さあ、早くドレスをお召し下さいませ。ユーリ様の象牙色の肌に、
この純白のドレスはきっとよくお似合いですわ」
 胸だし薔薇ドレスを、着せられるものだとばっかり思っていたユーリは、
拍子抜けした。
 ふっと気づくと、純白のウエディングドレスを着ている自分がいた。
(しまった! 拍子抜けしてたら、いつのまにかウエディングドレス着ちゃったわ。
ラムセスと結婚する気なんて、1KBもないのにー!)
 これもまた作戦か? ユーリにドレスを着せることは成功したラムセス家だった。

 結婚式会場、おびただしい数の招待客。その中には、王であるホレムへブ、
王太后であるネフェルティティも含まれていた。
 胸だし薔薇ドレスは免れたユーリだったが、ブーケは、やはり薔薇だった。
ラムセスの衣装も、ユーリに合わせて、タキシードだったが、
やはり胸には真紅の薔薇が一輪ささっていた。
 指輪の交換を済ませ、余興の時間がもうけられた。
「よし、我が一番の家臣であるラムセスの結婚を祝って、私が一曲披露しよう!」
 王であるホレムへブが立ちあがった。
 実はこのホレムヘブ。大のカラオケ好き…なのだが、下手の横好きの名のとおり、
ホレムヘブの歌は聴けたものではなかった。
 現代で言うなら、ジャイアンのリサイタル状態。だが、エジプト一の権力を誇る王に、
マイクを取り上げようとする者は誰もいなかった。
 歌が始まると、誰もが耳をふさぎ、苦しい表情をした。
招待客も新郎であるラムセスも結婚式どころではない。
(これはチャンス!)
 ユーリも、ホレムヘブの歌には参ったが、このスキをついて、
ラムセスの手から離れることができた。
さあ、このままヒッタイトのカイルの元まで帰るのよ! ウエディングドレスで!(爆)
 結婚式会場の薔薇ドームには、花嫁の代わりに薔薇のブーケが残されていた。

♪おわり

なんだか、しょうもない続きパロになってしまいましたが…。
ラムセスの母君が出てきましたねー。今後のパロに登場して頂きますわ♪
それにしても、スパイはシュバスですか?どうしてシュバスがスパイなのかしら…?
理由は?………考えてみました♪

1.シュバスの病気のおっかさんに、高麗人参を買ってあげたくて泣く泣く、王太后に雇われた。
2.実はシュバスは、王太后の隠し子だった。
3.シュバスはユニットバスを買いたくて、情報をエジプトに売った。
4.やっぱりシムシェックに盗聴器♪

うーん当たるかなぁ?(爆)