***18号続き***


 やっとのことでカイルのいる場所にまで戻ってきたユーリ。カイルの寝室のドアを開けると……。

 突然ですが、続きパロをよんでいるあなたに質問! カイルに似合う花はなあに?
その花をクリックして下さい。あなたに合った続きパロを読むことができます。(笑)



1.薔薇    2.胡蝶蘭   3.はえじごく(花か?)

 



1.薔薇編

 ぐっすり眠っているカイルに足音を立てずに近づいた。すぐ側まで来たが、
カイルは目を覚まさない。そうっと彼の髪に触れ、眠っているカイルを包み込むように
やさしく抱きしめた。
 ―――すると、
 カイルがもそっと動いた。どうやら目を覚ましたようだ。
「カイル、会いたかった」
 嬉しさのあまり振るえる声で言うユーリを、ぎゅっと抱きしめた。
「俺もだぜ! ユーリ!」
「ん? 何かカイルの声が少し違うような…」
 ユーリは違和感を覚えて、カイルの腕から抜け出そうとした。だか、抜け出そうとするユーリを
カイルがきつく抱きしめて、離そうとしなかった。
「しばらく、このままでいさせてくれ! ユーリ! 少し風邪をひいていて、声が枯れているんだ」
「そうなの。大丈夫?」
 ユーリはそのままカイルに抱きしめられたままでいた。
「カイル? 乳香変えた? いつもと違う香りがするわ…。何の匂いだろう? 
なんか嗅ぎ覚えのある匂いのような気もするんだけど……」
「ふふふ。さあ、何の匂いかな? あててみな…」
「わかんないなぁ。あれ? カイル、日焼けした? 少し色が黒くなっているような
気がするんだけど…」
 カイルの腕がいつもの白い肌より黒い気がした。
「そうか…? これでもワイドハイターの風呂に入って漂白したんだが…、おっと! 何でもない!
ユーリ! お前を助けるために前線に出ていたため、日焼けしたんだ!」
「そうなの? 嬉しい。でもカイルの髪は変わらないね。いつものとおり、やわらかいわ!」
 カイルの髪をイタズラしながら言った。
「そうだろう! エジプトのかつら作りに作らせた1級品だからな!」
「エジプト!!!」
 ユーリはエジプトという言葉を聞いて、とっさにカイルから離れた。
「ふふふ。やっと分かったかな? ムルシリの寝所にいるが俺はラムセス!
黒い肌をワイドハイターで漂白して、かつらかぶって、この日のために大塚美容整形外科で
ムルシリ顔に整形までしたんだ! 俺様の変装、完璧だろう! まいったか!」
「じゃあ、乳香は変えたんじゃなくて、薔薇の香りだったのね! それにこんな所まで来て!
あんた、あたしのこと諦めたんじゃないの?!」
 ユーリはびっくりしてラムセスに怒鳴った。
「諦めるなんて単語は俺様の辞書にはないのさ! さあ! ユーリ! 俺と楽しい夜を過ごそうぜ!」
「冗談じゃないわ! 誰か! ラムセスよー! 誰か来てー!」
「来るわけないさ! 皇帝の寝所に誰が入るものか! さあ! ユーリ!」
 あわれ、赤ずきんユーリは、ラムセスオオカミに食べられてしまうのか? 貞操の危機?(爆)
「赤ずきんユーリに、おおかみラムセスか…、ねねパロの童話シリーズに登録してもよさそうだな!」

♪おわり
(おいおい…ユーリはどうなるんだ…爆)



2.胡蝶蘭編

 ぐっすり眠っているカイルにユーリはそうっと近づいた。
 ―――すると!
 カイルがガバっと起きあがった!
「やったー! 本誌での出番がやっと来たー! それも見開きドアップ!」
 ベットの上に立ちあがりガッツポーズしているカイル。相当、出番が来たのが嬉しいらしい。
「おお! ユーリ、よく帰ったな! やっぱり天河の主役はお前なんだな…。お前が側に
いないと出番が少なくて困る! 危うくヒーローの座をラムセスに奪われるところだった!
ほっとしたよ」
「と、とにかく私に会えて嬉しいようで私も嬉しいわ…」
 ちょいと目が点になるユーリ。顔を引きつらせながら言った。
「出番がなくとも毎日のトレーニングは欠かさなかったぞ! 
毎日腹筋200回、背筋200回、腕立て100回。見てくれ! このみごとな上腕ニ頭筋!」
 カイルがユーリに力こぶを見せた。
「さあ! これからガンガン本誌に登場するぞー! 準備体操! いっちに♪ いっちに♪」
 ベットの上でラジオ体操を始めるカイル。
「全国一千万のカイルファンの皆さん。お待たせしました。もう、ラムセスには
のさばらせません!」
 カメラ目線で(どこにカメラがあるのかは分からない…笑)カイルはファンにそう言った。
ユーリはベットの脇で呆然としている。
 出番がない間に随分と皇帝陛下は変わられてしまったようだ……。(笑)

♪おわり


3.はえじごく編

 ぐっすり眠っているカイルにユーリはそうっと近づいた。
カイルはよく眠っている。起きる気配はない。
「カイル」
 とやさしく髪をなでてみた。それでもぐっすり眠っている。
「カイルっ!」
 肩をつかんで、揺さぶってみた。だが、目を覚まさなかった。
息はしている。よく眠っているだけだ。
 ほっぺをつねってみても、蹴りを入れてみても、鼻をつまんでみても、
カイルは目を覚まさなかった。(ひどいな…ユーリ…)
 まったく目覚めることのないカイルが心配になって、カッシュやルサファ達を呼んだ。
「どうしたんでしょうねぇ。別にどこも悪い所はありませんよ。よく眠っていらっしゃいます」
 医師を呼んでみたが、カイルはまったく目を覚まさなかった。
「寝不足だったというわけでもないんでしょう? キックリ?」
「ええ、いつものとおり寝所に入られたんですが…。これといって疲れている様子も
ありませんでしたし…」
 パパになったキックリが言った。
「うーん、どうしたんだろう?」
 腕を組んでユーリは口をへの字にした。
「ほーほほほほ。皇帝陛下は目を覚ますことはないぞよ。わらわの魔法で、
永遠の眠りについてもらったのじゃ!」
 高笑いの源はナキア皇太后。はえじごくをバックにカイルの寝所に入ってきた。
「魔法ですって?」
「そうじゃ! 永遠に眠る魔法じゃ! ただし、目を覚まさせる方法が一つ…。聞きたいか?」
 意地悪そうにナキアはユーリに言う。
「聞きたいけど、どうせすぐに教えてくれないんでしょ! 何か交換条件とか…」
「私はそんな意地悪おねえさまではないぞよ! 教えてやろう!」
 ユーリは「おねえさま」という単語につっこみを入れたかったが、ナキアの機嫌を損ねてはと思い
あえて言わなかった。
「あら? 素直に教えてくれるの? じゃあ、教えて!」
「ふふふ。魔法を解くには…。王女様のキッスで皇帝陛下は目覚めるのじゃ!」
「あーら! 簡単じゃない! じゃあ私が…」
 ユーリがカイルに近づいた。
「待った! ユーリ! お前は王女の身分は持っていないだろう。
平民の小娘のキッスではダメなのじゃ!」
「えー! 何それー!」
 ユーリはプンプン怒った。
「仕方ない。誰か王女の身分のある方は、このウガリットの王宮にいらっしゃるかしら?」
 カイルの目が覚めないのではどうしようもない。ユーリは王女の身分のある者を探した。
 だが、見つからなかった。途方に暮れるユーリ。せっかく会えたのに、カイルの意識が
ないのでは、会えた喜びも半減だ。
「これこれ、王女の身分のある者を一人忘れているぞ!」
「あら? どこにいらっしゃるの? 王女様?」
 ユーリはかすかな希望に目を輝かせた。
「わたしじゃ!」
「……………………」
 カイルの寝所にしばらくの間、静寂が訪れた。
「そういえば…、ナキア皇太后はバビロニアの王女でしたね」
 キックリがしぶしぶ静寂を破った。
「ナキア皇太后からのキスされるぐらいだったら、このまま一生眠りっぱなしほうが
幸せなんじゃないか? 陛下は?」
 カッシュが言った。ルサファやミッタンナムワも頷いている。
「やっぱりそうよね…。私もナキア皇太后にカイルを奪われるくらいなら、
このままのカイルでもいいわ…」
 ユーリや3隊長はおろか、元老院まで、皇帝陛下はこのまま眠りつづけることに賛成した。

 ところで、カイルに魔法をかけたナキアの目的って一体……。(爆)

♪おわり