***天国からこんにちは〜ユーリ救出大作戦編〜***



 ユーリが カイルの子を妊娠。エジプトとの戦場となるウガリットからカルケミシュへ
妊婦であるユーリは船で移動することになった。だが ウルヒの魔の手により
船は転覆。ユーリは 地中海の大海原に投げ出された。投げ出されたショックで
お腹に激痛が走り ユーリは側にあった木箱につかまり沈まぬようにするのがやっとだった。
ルサファがなんとかユーリを見つけたが 夜の闇ということもありユーリとルサファの姿は 
波に隠れ船からどんどん離されて行った。

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*

「きゃああああ、大変よ。ザナンザ殿下!ユーリ様が危ないわ!!!」
「どうしたいうのだ。ウルスラ!兄上達のいる下界で何かあったのか?!」
天国に行っても 美貌は衰えぬザナンザ皇子が 血相を変えて走ってきた。
榛色の澄んだ瞳も変わらない サラサラとした髪が 天国に心地よく吹く風になびいていた。
「ご懐妊中のユーリ様が 海に投げ出されてしまったの。ユーリ様の命も
心配だし。なによりお腹の赤ちゃんが・・・。」
「それは大変だ。なんとか救助しなくては!」
「ユーリ様とルサファのいる近くに 船はないかしら?」
ザナンザ皇子とウルスラは 天から地中海を見下ろした。
大海原でも 天から見下ろせば小さい小さい。地中海全体を見渡す事が出来た。
「あっ、結構すぐ近くに船があるわよ。なんとかあの船 ユーリ様たちの元に
行ってくれないかしら?」
「無理だな潮の流れからすると あの船はユーリやルサファを助ける位置には
行かない。なんとか潮の流れを変えなければ・・・。」
「潮の流れ!?任せて!!!私のこのナイスバディで 海の神ポセイドンを誘惑してくるわ。
待ってて!」
しばらくたつと ウルスラに連れられポセイドンがやって来た。
「いやぁ、美人の頼みは断れないからねぇ。」
ポセイドンは ニタニタ嬉しそうにウルスラのほうを見て言った。
ウルスラはザナンザ皇子に向かって小さくVサインをした。
「どれだ?潮の流れを変えて どの船を動かせばいいんだ?」
ポセイドンがウルスラに向かって言った。
「船なんか選んでいる暇はない。1秒でも早く ユーリを助けなくてはお腹の子が危ない。
一番近くにある船を動かしてくれ。」
ウルスラより早く ザナンザ皇子が答えた。
「お願い ポセイドン様。チュッ( ^3  (*^o^*)ポッ」
ウルスラからのキッス一つで ポセイドンは潮の流れを変え 一番近くにあった船を
ユーリとルサファの元へ向けた。
船はユーリとルサファに気づき ユーリとルサファは 救助されたようだ。
手を取り合って喜ぶザナンザ皇子とウルスラ。・・・・・だがルサファの表情が険しい・・・。
もう1度よく下界を見下ろすと なんと救助した船は エジプトのチャーター船だった。
さっきまで喜んでいたザナンザ皇子とウルスラの顔は真っ青になった。
「だから 船選んだほうがよかったのよー。せっかく私が ポセイドンを誘惑したのにー
ザナンザ皇子のばかー。」
どうやら 天国には身分の差はないようだ。

・・・・とこんなわけでユーリとルサファは助かったのであります。(爆)