天河ライブ、ファッションショー
BYスカーレットミッシェル


天河ライブ

「ねぇ、カイル、ライブみたいなの開いてみたら?」
 と、お昼ご飯を食べながら、ユーリが提案してみた。
「ライブ?」
「人気のアイドルがみんなの前で歌ったり、踊ったりするのよ。
カイル、女の子に人気があるしさ」
「お前以外の女など興味ない。ライブなどやらないよ。」
「おう! やろうぜ!!」
「ラムセス!」
 カイルとユーリが声をそろえて叫んだ。
「いきなり、現れないでよ!」
「まぁまぁ、ユーリ、いいこと話してんじゃんか! ライブだって?」
「ライブなどやる気はない。」
「なんだよ、ムルシリ、オレの方が人気があるから自信ないんだろ」
「何を言う! お前がわたしにかなうわけないだろ!」
「じゃあ、やってみろよ!」

 そんなわけで、ライブを開くことになった。
出演者は、カイル、ユーリ、ルサファ、ミッタン、カッシュ、ハディー、イル、
キックリ、双子である。
「キャーーー!! 陛下ーーー!!」
 セルトが他の姫たちと大騒ぎである。
「お姉さまーーー! カッコイイー!」
 とアレキサンドラ。
「夕梨! 日本に帰ってこい!」
 久しぶりの氷室である。
「兄上! ユーリ! 素晴らしい!」
 天国からかけつけたザナンザである。
 他にも黒太子や、ジュダやマリ、多くの国民によりヒッタイトドームは、満席になった。

 カイルが歌って踊って、バックダンサーに、キックリ、カッシュ、ミッタン、ルサファ。
バックコーラスにイル。
「♪ユーリ〜、愛してる〜♪……」
 歌は、すべてユーリへの恋歌だったのだ。
 また、これかい。と呆れてる側近達であるるが、
約一名恋歌が得意なイルだけは楽しんでいるようだった。
 次に双子たちは、クイズ大会をした。
「★どっちがリュイでどっちがシャラでしょう☆」
 ……しかし、正解者はいない。
 ユーリが剣舞と日本舞踊を披露して、ユーリとハディーが野球拳をした。
 こうして、初ライブは終了した。
 そして、会場からアンコールが聞こえた。
 再び、暗くなって、パッ!っと光の中から現れたのは、
なんと薔薇をくわえたラムセスだった!
「よう! 待たせたな! ラムセス様の登場だ! いくぜ! 薔薇薔薇メドレー!!」
「なんであいつがいるんだ!?」
 アンコールで出ようと準備していたカイルが言った。
「やっぱり、最後のオチはラムセスなんだ……」
 と、思うユーリと側近達とである。

おわり♪




ファッションショー

「司会をつとめさせて頂きますのは、私、ユーリ・イシュタルです!」
 初ライブに続き、ファッションショーも行うことになった、ヒッタイト王宮である。

「では、初めに、今、エジプトで流行っています、胸だしのドレス、ネフェルトです!」
 おぉ〜という声に紛れてネフェルトが登場した。
腰に手をあてて、軽くウィンクをした。何人か悩殺されて、救急車がよばれた。

「次は、子供用着ぐるみパジャマで、アレキサンドラとジュダ!」
バ○殿の着ぐるみパジャマを着て、顔を真っ白にしたアレキサンドラとジュダがタッタッタと出てきた。
ちょんまげ姿がまたカワイイ!(本当かい?!(笑))

「そして、チマチョゴリのキックリ!!」
 薔薇柄だし女物の服は恥ずかしいと、照れながら出てきたキックリ。

「そして、ワンピースのナッキー!」
蛇の皮で作ったワンピースで現れたナキア。
手には、水瓶を持っている。入っているのは、もちろん、黒い水である。

「全身タイツのカッシュ!」
なんでこんな格好なんだ? という表情を隠しつつ薔薇柄の全身タイツをまとっている。

「薔薇柄チャイナドレスは、ハディー!」
今のところ、このハディーが一番まともだろう。

「そして、日本の文化、着物は、リュイ、シャラ!!」
これもまた、薔薇柄である。

「サリーを着こなすのは、イル・バーニ!」
なんでこんな下品な薔薇柄なんだと思いつつ、きちんと着こなしていたイルである。

「ボディコンスーツは、なんと意外なルサファ!」
薔薇柄のボディコンスーツを着て自己嫌悪気味のルサファである。

「ミニスカートに、ベストにリボン!いまどきの女子高生は、カイル!」
薔薇柄チェックのスカートに、薔薇で出来たリボン、疑問に思いつつもきちんと着こなしている。

「これも日本の文化のひとつと言えるでしょう。ふんどし姿は、ミッタンナムワ!」
会場中に笑いの渦が起こった。
薔薇柄のふんどしにピッタリ合っているミッタン。
ミッタン自身は、なんで自分がこんな格好なんだろう……。
なんでこんなに自分に合うんだろう、と逆ギレ気味である。

「そして次、ラストです! このファッションショーのメインであり、
企画、提供してくれたラムセス!」
 会場や、モデルから、やっぱり……と言う声が聞こえたのは、言うまでもない。
薔薇そのものを体中に巻きつけて衣装を作り、薔薇を両手に、薔薇をくわえて登場のラムセス。
「ラムセス、今日はいかがでしたか?」
「みんな、モデルそれぞれにあった衣装だったと思う。オレの育てる薔薇は、最高だからな!」
この衣装が自分にあってるのか??と疑問に思っているモデルももちろんいた。
「ラムセスは、薔薇のとげ、痛くないんですか??」
「この薔薇は、オレを傷付けたりしないんだ。とげは、茎の中にしまってくれるんだ。」
「それは、便利ですね!以上、薔薇薔薇ファッションショーでした。」

 このファッションショーがヒッタイトにおいて最初で最後のファッションショーとなった。
だって、ラムセスが変なデザインばかりするため、モデルの志望者が少なくなっちゃったんだもん♪
 やっぱりな……と思うと同時に、自分がモデルじゃなくて良かったと思うユーリであった。

おわり♪