***楽しい給食***
〜ピカピカシリーズ〜




 学校へ来る楽しみの一つと言えば、やはり給食であろう。
 我らがラムセス君にとっても、「1に給食、2に体育、3に休み時間」
と答えるであろうことはまず疑いない。
(全く何しに来てるんだろうね?こいつ・笑)

 ある日のこと、ラムセスは今日の献立表を見て小躍りしていた。
「やったぁ〜!今日の給食はカレーライスだあ」
 しかし今週の給食当番はハディやカイルであった。他の当番なら
「おい、もうちょっとオマケしてくれよ!」
 と、ラムセスが言うと
「まあいいか!」
 と言って必ずサービスしてくれるのに、彼らときたら
「みんなに同じように盛らないと不公平よ!」
 とか
「ラムセス! それはずるいぞ」
 などと絶対にそんなことはしてくれない。特に今日はカレーだったから
「みんなだって、たくさん欲しいんだからね」
 と言って、ハディは絶対譲らなかった。
「ちぇっ! おかわりしてやるもん」
 そう言ってラムセスは席についた。

 さて給食の支度も終わり「いただきま〜す」の挨拶とともに
「さあ! 食って1番におかわりするぞ」
 とラムセスは張り切っていた。すぐさまカレーライスをたいらげて牛乳を飲み、
デザートのフルーツヨーグルトを食べてしまうと
「やったあ! 先生おかわりっ」
 と言って食管に向かって駆けだして行った。
 ところが、おかわりを狙っていたのはラムセスだけではなかった。
「なにをっ! 俺が1番だ!」
 彼の前に立ちはだかったのはミッタンナムワ! クラスで1番体が大きくてよく食べる奴である。
「うるせえっハゲ野郎」
「なにをっ! まっくろくろすけ」
 さっそく激しいバトルが始まった。
「そんなに多く盛るんじゃねえよ。タコ」
「お前こそ!」
 お互いに人より多く食べる上に大好きなカレーときてるから譲らない。
 すぐに二杯目を平らげてしまうと、今度はフルーツヨーグルトのおかわりに行った。
もちろんミッタンも…
「ラムセス君、ミッタンナムワ君! おかわりは一人一杯よ」
 さっそく先生に注意された。
「そうだ! 俺だっておかわりするんだぞ!」
 後からやってきたカッシュに文句を言われてしまった。

 この争いにカイルがいないのは不思議と思われるかもしれないがそうではない。
というのは、勉強や体育ならともかく給食の大食いや早食いというバカバカしい争いには、
どうでもいいと思っていたからである。そんなのはラムセスやミッタン、カッシュなどの
体育系? に任せておけばいいのだ。
 とは言え、カイルもラムセスに迷惑を被らないわけにはいかなかった。
席替え(覚えてますか?)でラムセスの隣りになって以来、どうも給食
の時間になると人参やピーマンなどの野菜や嫌いな物がお皿の上に増えるような気がする……。
「変だな」とカイルが思っていたが、証拠がない。
どうやらカイルがよそ見をしている間にラムセスがこっそり入れているらしいのだが……。
「つくづく不愉快な奴!」
 カイルは今日もそう思って給食を食べていた。
 ラムセスによって迷惑を被っているのは、もう一人いた。
 キックリである。
 ラムセスがおかわりをした時、帰り際にキックリを肘でこづいてしまったため、
キックリがフルーツヨーグルトをこぼしてしまったのだ。そのため隣のハディにも
ひっかかってしまった。
「きゃあ! 何するのよキックリ」
 ハディに怒られて不器用なキックリはオロオロするばかりである。
「バカねえ! 早くふきなさいよ」
 結局こぼした物もハディが全て片づけるはめになった。

 他にも騒動があった。ナキアの隣りに座っていたセルトが急に腹痛を訴えたのだ。
「朝は元気だったのに……変ねえ?」
 そう言って先生はセルトを保健室へ連れて行った。
「ナッキーの隣りに座る人って、よくお腹が痛くなるよねえ?」
 みんながひそひそと話していた。もちろん証拠はないのだが、ナキアが隣りの子の給食に
黒い水を入れているらしい……。

 しばらくして「ごちそうさま」の時間になった。
挨拶をするとラムセスが片づけもそこそこに外へ飛び出して行こうとした。
「おい! ラムセス机を片づけろよ」
カイルの声が教室に響いた。これもいつものことである。
こうしてトラブルの多い、このクラスの給食の時間も終わった。

      〜終わり〜


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給食、思い出すなぁ。私は小学校のとき、
食べるのが遅かったため給食の時間が終わって
次の掃除の時間になっても埃まみれになって食べている口でした。
アゲパンにミルメーク、冷凍みかん……、もう一回食べたい!