もしも赤髪の白雪姫が学園モノだったら?
クラリネス学園

7.箱根旅行(R18)

【前編】 【中編】 【後編1】 【後編2】


【前編】

「白雪、夏休みに入ったら旅行に行かないか?」
 そう言われたのは大学一年の夏休みに入る数週間前のことだった。
 高校を卒業してそのまま附属のクラリネス大学に進学したゼンと白雪。
木々、ミツヒデ、オビ達も一緒に進学していた。
「いいよ、みんなで旅行楽しそうだね」
 白雪はニッコリゼンに笑いかける。
「あ……いや、みんなでじゃなくて…二人で行きたいんだが……どうかな?」
「えっ……」
 白雪は一瞬固まる。いつも5人一緒だから、みんなで旅行かと思ったからだ。
「一泊で…近場でいいんだけど……」
 ゼンは顔を赤らめながら俯く。
「あ……」
 白雪も意味を理解して顔を赤らめる。しばらく、二人の間に沈黙が訪れる。
その沈黙を破ったのは白雪だった。
「いいよ」
「え?」
 ゼンが顔を上げ白雪を見つめる・
「いいよ、二人で行こう!」
「ほんとか? 白雪?」
「うん」
 白雪はにっこりと笑顔になる。
「じゃあ、どこへ行こうか。一泊だし近場でいうと……」
 ゼンが行き先を考えようとしたところに、白雪が勢いよく返事をする。
「箱根がいい!」
「箱根?」
「うん、箱根のえう”ぁ屋に行きたい!」
 白雪は目を見開き、真剣な表情であった。
「えう”ぁ屋?」
 聞いたことのない単語にゼンは首をかしげる。
「箱根にね、えう”ぁ屋っていうエヴァンゲリオンのグッズを売っているお店があるの。
箱根はエヴァの舞台でもあって……」
 オタク白雪の細かい説明が始まった。
 オタクではないゼンにはこの先聞いていてもほとんど理解不明の単語が並んだ。
とにかく白雪は箱根に行きたいということだけはよく伝わった。
「わかった。わかったぞ、白雪。箱根に行きたいのは、よぉ〜く伝わった」
 少々興奮気味に説明する白雪を落ち着かせる。
「それでね、できれば箱根に行く途中の高速道路のサービスエリアの足柄ってところにも寄りたいの!」
 白雪は真剣な表情でゼンに向かって訴える。
「足柄?」
「うん、今、足柄ってサービスエリアがエヴァンゲリオンとコラボしていて、
エヴァの初号機の立像とか、ロンギヌスの槍も展示してあるみたいなの!」
 また知らない単語が出てきたゼンであったが、足柄というサービスエリアに白雪が行きたいことは理解できた。
「わかった。白雪、少し落ち着け」
 ゼンは白雪の肩に手を置き、彼女の熱を冷まそうとする。
 オタクである白雪と付き合うのは全く構わないし、好きな気持ちも変わらない。
むしろオタクな白雪はいつも楽しそうで、見ているこちらまで幸せな気分になる。
「あ、ごめんなさい、ゼン。私ってば興奮しちゃって……」
 白雪はわが身を振り返り反省する。
「でも、サービスエリアに寄るとなると、車が必要になるな」
 ゼンが考える。
「あ、そっか……」
「家にある車を借りていくかな……。白雪、ベンツとフェラーリとBMW、どの車がいい?」
 ゼンはさらりと言う。
「はああ?」
 白雪は声を裏返らせる。
 大学生の口から出るとは思えない高級車の名前に目を丸くした。
「あ、でも俺、まだ免許取り立てで、家の近所しか運転したことないんだよなぁ〜。
箱根、初の遠出になるかな……」
 白雪は顔を青くする。
 大学生に似合わない高級車で迎えに来られても困るし、免許取り立てのゼンの運転もはっきり言って不安であった。
「ゼン、いいよ。今回、足柄のサービスエリアは諦める。電車で行こう!」
「え? でもせっかく車で出かけられるチャンスだぞ。どの車で行こうかな?BMWかベンツかな? 
フェラーリは兄上がいつも使ってるから貸してくれるかな?」
 ゼンはブツブツ一人で呟いている。このままでは高級車に乗せられてしまいそうだ。
 白雪は考える。
「私ね、新宿からロマンスカーで行きたいな。ゼンと一緒に電車の座席に横並びに座ってこうしたいな……」
 白雪はゼンの横にぴったり寄り添い、腕を絡ませる。ゼンの肩に頭を乗せて体を密着させる。
「そ、そうか。白雪が電車でいいっていうなら……。電車でもいいぞ」
 ゼンは白雪の手を握りニヤケ顔になる。
 なんとか高級車で箱根に行くことを阻止できて白雪は胸を撫で下ろした。

***

「白雪、お待たせ」
 白雪のマンションの前にBMWが迎えに来ていた。ゼンが助手席から顔を出す。
 旅行のことをミツヒデに話したら、ミツヒデと木々も便乗し、
同じ日に伊豆方面へ旅行に行くということになった。
途中の箱根でゼンと白雪は降ろしてもらうことになったのである。
 白雪は木々の待っている後部座席に座る。
「よろしくお願いします。ミツヒデさん」
 運転はミツヒデが担当することになった。
 ゼンよりもミツヒデの方が、運転技術に安心がある。車はゼンの家のBMWを借りることになった。
大学生には高級車だが、ミツヒデの運転で、かつ4人ならまあいいかなという気になった。
「おはよう、白雪」
「おはよう、木々さん」
 木々も白雪を歓迎する。
「よし、足柄のサービスエリア目指すぞ!」
 ゼンが片手を上げ助手席で声を上げる。
「そ、そんなに大きな声で言わなくても……恥ずかしいよ……」
 4人を乗せたBMWは足柄に向けて出発した。

 足柄サービスエリアに着くと、そこはもうエヴァ一色であった。
「すごい……。想像以上だ……」
 BMWから降りた白雪は足柄サービスエリアを見渡して感動する。
 サービスエリアの建物に入るとエヴァ初号機が展示してあった。
その初号機をエヴァに出てくるキャラクター達が上から見下ろしているようにイラストが展示してあった。
まるでNERV本部のような作りに白雪は感動した。
 外には綾波レイやロンギヌスの槍、エヴァカラーのプリウスも展示されており、
白雪のオタク心を満たすものであった。
「白雪、写真撮ってあげるよ」
 木々が気を利かせて、白雪とエヴァキャラクターたちを一緒に撮影してくれた。
「あー! 俺も白雪と一緒に写真撮る!」
 そこへ嫉妬したゼンが入り込んできて、エヴァキャラクター達とゼンとの3ショットになった。
「白雪、楽しいか?」
 ゼンが笑顔で白雪に訊ねる。
「うん、すっごく」
 白雪は満面の笑顔で返す。
「白雪が楽しいならいい」
 白雪の楽しそうな笑顔を見てゼンは満足そうであった。
 足柄のサービスエリアで休憩もかねて滞在した4人は、再び車に乗り込んだ。
 ここに来るまでは、助手席にゼン、後部座席に女子二人の組み合わせで座っていたが、
足柄からは、助手席に木々、後部座席にゼンと白雪が座った。
 ゼンが隣に座っている。
 白雪はこれからのことを思わず想像してしまい、少し緊張してしまった。
本当にゼンと旅行に来てしまったのだ。その実感が沸いてきたのだ。
 箱根湯本が近くなると、車が渋滞してきた。
 ゼンと白雪の宿泊する箱根湯本の旅館の前まで送迎する予定であったが、
これでは相当な時間がかかってしまう。ミツヒデは、ゼン達を箱根手前で降ろして電車で行かせることにした。
「ミツヒデ、運転ご苦労」
「送っていただいてありがとうございます。ミツヒデさん」
 車から降りた二人はミツヒデに礼を言う。
「ゼン白雪楽しんで来いよ! 俺たちはこれから伊豆に向かうから……」
「二人とも楽しんできてね」
 木々が手を振る。
「運転気を付けて、ミツヒデさん、木々さん!」
 白雪とゼンは手を振ってBMWを見送った。

「荷物持つ?」
 ゼンが白雪の肩かけカバンを見つめる。
「ううん、大丈夫。一泊分だしそんなに重くないし」
 白雪は首を振った。
 突然二人きりになると更に緊張が増した。
 胸がドキドキしてゼンの顔をまっすぐに見れないような気がする。
 白雪は何気なく景色を見ている振りをすると、視界に飛び込んできたある看板があった。
「えう”ぁ屋だ!」
 白雪は大きな声で叫んでしまった。箱根湯本の駅の近くにあると地図には
書いてあったがこんなに近くにあると思っていなかった。
「あ、本当だ。白雪の言っていた店だな……。行くか?」
「うん」
 白雪は真剣なまなざし大きく頷いた。
 えう”ぁ屋の入口には、まず浴衣姿の綾波レイの等身大の人形があった。
白雪はまず綾波をスマホで撮影し、続いてえう”ぁ屋の看板も撮った。
「綾波レイと一緒に写真撮ろうか?」
 ゼンに声を掛けられ、白雪は一瞬躊躇したがこんな機会は滅多にない。
お願いすることにした。白雪のおかげでエヴァの殆どのキャラクター名を覚えてしまっているゼンであった。
 綾波と一緒に写真を撮った後、店の中に入った。大きな店ではないが、
ここでしか売っていないエヴァグッズがたくさん並んでいた。白雪は一つ一つじっくりとグッズを見ていった。
「白雪、こっちにカヲル君があるぞ」
「えっ!」
 ゼンの方へ行くと、浴衣を着たカヲル君のクリアファイルがあった。
背景は寄木細工柄の美しい模様が施されている。
 高校の時、自分がオタクだとばらしてからゼンの態度は全く変わらなかった。
むしろ、白雪な好きなキャラクターを見つけると、今のように教えてくれたり、
色々なイベントにも一緒に行ってくれたりして協力的であった。
本当にゼンは優しい。こんな優しい人と一緒にいられて本当に幸せだと思った。
「すごい! 浴衣姿のカヲル君! レアものだぁ〜!」
 白雪は迷わずクリアファイルを手に取る。
「飛鳥もかわいい! これも買っちゃおう! あとネルフマークも……」
 白雪は合計三枚のクリアファイルを手に取る。
「楽しそうだな、白雪。俺もこれなら使えるかな……」
 ゼンは寄木細工柄のネルフマークの入ったクリアファイルを手に取る。
「ゼンも買うの?」
「ああ、ここに白雪と一緒に来た記念にな」
「あ、じゃあ、私がプレゼントするよ。貸して」
 ゼンが手にしているクリアファイルを取る。
「いいのか?」
「うん。付き合ってくれたお礼に。それにゼンとお揃いになるのも嬉しいしね」
 白雪ニッコリと微笑みかける。
「わかった。ありがとう」
「あと、この湯呑もかわいいな。鹿月のお土産にしようかな……」
 白雪はネルフマークの湯呑を手に取る。
「鹿月もエヴァが好きなのか?」
「うん、オタクだからね。箱根のえう”ぁ屋に行くって言ったら羨ましがってた。
そうそう、鹿月ね、彼女ができたらしいの!」
「あの美少年に彼女か。よかったな……」
 ゼンは心の奥底でホッとしていた。
「よし、ネルフマークと、ゆるしとのセットの湯呑を鹿月へのお土産にしよう!」
 白雪は湯呑も一緒に持ってレジへ向かった。

 えう”ぁ屋を出た後、駅周辺を散策してから旅館へ向かった。
 予約した旅館は、川のせせらぎが聞こえる庭園のある落ち着いた雰囲気の和風な旅館であった。
 二人はチェックインして部屋へ案内される。部屋の中ももちろん和室であり、二間あった。
 入ってすぐの部屋は、大きめのテーブルと壁に大型のプラズマテレビが設置されており、窓側に応接セットがあった。
 もう一部屋は寝室で、同じく和室であったが、ローベッド風のベッドの上に布団がひいてあった。
「お茶入れるね」
 白雪はテーブルの上にあったお茶セットに手をかける。
「あ、ありがと」
 ゼンは短く礼を言う。
 遠くで微かに川のせせらぎが聞こえるだけで部屋の中は静かだった。
 今日、二人でここで過ごすんだなと思うと、白雪はお茶を用意しながら緊張してきた。
チラリとゼンを見る。こちらは向いていないで、窓の方を見ている。
 白雪は入れたてのお茶とテーブルに置いてあったお茶菓子をゼンの前へ出す。
「はい、どうぞ」
 緊張を和らげようと白雪は笑顔でゼンを見つめる。
「あ、ありがと」
 ゼンの顔が少し赤くなったのは気のせいと思うことにした。お茶を一口すすった後、ゼンが腕時計を見た。
「あと30分くらいで夕食だな」
「そうだね」
「そういえば腹減ったな〜、夕食はしゃぶしゃぶの食べ放題だよな。楽しみだな!」
 白雪の顔を見つめて嬉しそうに言う。
 夕食は和食としゃぶしゃぶの食べ放題の選べるタイプで、肉が食べたいゼンの希望で後者を選択してあった。
「私も、お腹ペコペコ。いっぱい食べなきゃね!」
「ああ!」
 ゼンは満足そうに頷いた。

 しゃぶしゃぶの食べ放題で食欲中枢を満たした後、二人は露天風呂に向かった。
もちろん男女別々だが露天風呂の他に炭酸泉や檜風呂などいくつかのお風呂があった。
「ゼン、お待たせ」
 男湯と女湯の別れる出入口でゼンと待ち合わせの約束をしていた。
 白雪が風呂から上がると、ゼンがもう待っていた。
 ゼンがこちらを向く。一瞬何か言いたそうにしたが何も言わなかった。
「じゃあ、部屋に戻ろうか」
「うん」
 二人はお揃いの浴衣を着て部屋へ向かった。
部屋に戻る途中、男湯と女湯は同じお風呂だったか、どのお風呂が一番気持ちよかったなどの話をした。
 部屋に一歩入ると、やはり静かだった。
 隣の和室のベッドが気になったが、白雪は見ないように心掛けた。
 ゼンも部屋に戻ってからは何も言わない。部屋の静けさに、どうしていいかわからず、白雪はテレビのリモコンを手にした。
「テレビでも見よっと」
 いくつかチャンネルボタンを押して番組を流す。お笑いの一番騒がしそうな番組にチャンネルを合わせた。
 特に好きなお笑い芸人というわけではなかったが、白雪はテレビに集中していた。
もちろんゼンが気になったが、テーブル越しに一緒にテレビを見ているようだ。何も言わない。
 白雪は赤い髪に手をかける。スーッと髪を梳くとまだ半乾きで少し湿っていた。
手持ちぶたさに、何気なくテレビを見ながら指で髪をクルクル巻いていると、
背後から何か気配があったような気がした。
「白雪……」
 ゼンから名前を呼ばれたと思い、振り向こうとした次の瞬間、背後から抱きしめられていた。
背中からしっかりと抱きしめられ、ゼンのぬくもりが感じられる。お風呂上りのせいか、すごく温かかった。
 ゼンは白雪の肩をしっかりと抱え、首筋に顔を埋める。
「ゼ、ゼン……」
 抱きしめられ白雪は硬直する。ゼンの息が首筋にかかり少しくすぐったい。
胸がドキドキしてどうしたらいいか分からず、抱きしめられたままでいるとゼンが耳元で囁いた。
「少し早いけど、もう寝ようか……」
 白雪の体は一瞬ビクッとなる。うんと言いたかったのに緊張して声がなかなか出なかった。
「まだテレビ見る?」
 ゼンが背後から白雪の顔を覗き込む。白雪は勢いよく首を振る。
「もういい……」
「じゃあ、隣の部屋に行こうか」
 白雪は布団が引いてある部屋に視線を移す。そしてゆっくり頷いた。


【中編】

 ゼンに手を引かれて隣の部屋へ行く。
 布団の上へ座るとふわりという羽毛の感触が心地よかった。
手をしっかり握られたまま、見つめあう。白雪は恥ずかしくて視線を逸らそうとすると、
瞳を閉じたゼンの顔が近づいてきた。慌てて白雪も瞳を閉じる。柔らかな唇の感触が重なった。
 ゼンの右手が白雪の背中に回る。背中をゆっくりと撫でられたかと思うと、
その手は、白雪の左脇をなぞり前に回った。浴衣の上からそっと左胸を触られた。
「白雪……ブラジャーしてる」
「ご、ごめん……こういう時は、ブラは外した方がよかったのかな?」
 お風呂上り、そのまま浴衣を着るのは少々ためらいがあった。
大浴場から部屋に戻るまでとはいえ、浴衣一枚で歩くのは恥ずかしいと思いブラを付けてしまった。それに……。
「ううん、どっちでもいい」
 ゼンは白雪の浴衣の帯に手をかける。リボンで結ばれた帯はシュルンと簡単にほどけた。
「あっ…」
 ゼンの目の前にブラジャーで包まれたふくよかな胸が現れる。
「かわいい…お揃いだ」
 ゼンは白雪の胸元とその下のショーツを見て嬉しそうに笑う。
パステルピンクに控えめなレースのついたブラとショーツのセット。
ブラの胸元とショーツの中央には赤いリボンがついている。髪の色に合わせたつもりであった。
「こ、この日のために買いました……」
 白雪は顔を真っ赤にして言う。
 浴衣の下にブラを付けたもう一つの理由。この日のために買ったブラとショーツのセットを
ゼンに見てもらいたいという気持ちもあった。
「そうなんだ。似合ってる……脱がせちゃうけど」
 背中に手がまわり、ブラのホックが外される。
真っ白なふくよかな胸とその中央の桜色の頂きがゼンの目の前に露わになる。
白雪は両手で隠そうとしたが、ゼンの手がそれを阻む。 
 ゼンは白雪の桜色の頂きにそっと口づけた。
「んっ!」
 白雪の体はビクッ震える。両手をしっかりとゼンに抑えられ抵抗することはできなかった。
ゼンは白雪の胸に顔を埋めたまま、布団に押し倒した。
柔らかな布団の感触が白雪の体を包み、上からはゼンのぬくもりに包まれる。
 ゼンは胸に顔を埋め、桜色の乳首を舐めながら、もう片方の胸を揉みほぐす。
生暖かい舌の感触がくすぐったくて、白雪はギュッと目を閉じた。
胸を弄んでいたゼンの手はしだいに下方へ伸び、ウエストの部分へ降りる。
お腹の部分から腰のあたりをじっくり撫でられた後、更に下方へ手が伸びた。
白雪の大事な中心部に手がかかる。両脚をしっかり閉じている白雪の脚の間に無理やり手を割り込まるせる。
先ほどのブラとお揃いのショーツの上から白雪の秘所に触れる。
「んんっ!」
 目を閉じたままの白雪は声を上げる。
 ゼンは少し態勢を変え、白雪の横から肩を抱く。
もう片方の手でショーツの上からゆっくりと大事な中心部を往復する。
 そこは徐々に湿り気が出てきた。
「白雪、ココ。だんだん濡れてきたよ……」
 白雪はギュッと目を閉じ、必死に声を我慢する。
「そこ……、なんかダメ。変な気持ちになっちゃう……」
 白雪の反応を見ながらゼンは指を動かす。白雪の体が時々ビクッと震える。
「ここか? ここが気持ちいいのかな?」
 ショーツの上から一番敏感な突起を探し当て、そこを中心にゼンは指を往復させる。
「あっ! ゼン、やめてっ! ああっ……」
 白雪は顔を歪ませゼンの手から逃れようとする。
だが、しっかりと抱きかかえられ逃げることは不可能であった。
ショーツがどんどん濡れてきて大事な中心部が潤ってきた。  
ゼンはショーツの脇からそっと指を入れる。ヌルリとした生温かい粘液が指に絡みついた。
白雪の秘所は充分に潤っており、敏感な突起を指で直接刺激した。
「ああっ!」
 白雪の体が大きく揺れる。敏感な突起を数往復した後、割れ目に沿って膣口に指を移動させる。
「あっ!」
 白雪が目を開ける。泣きそうな顔にも見えたが、ゼンはそのまま中指の第一関節までそうっと進めてみた。
白雪は再び目を閉じる。少々苦しそうな表情だった。何度か浅く指を往復させた後、中指を奥まで挿入させてみた。
「あああああっ!」
 白雪は顔を歪ます。
「ほら、白雪。奥まで入ったよ」
 白雪の中で中指を軽く動かす。愛液がどんどん溢れ出てきていた。
 ゼンは一度指を抜き、邪魔になったショーツを脱がせる。
 白雪は生まれたままの姿になった。
「ゼン、ずるい……。私だけ裸で……」
 白雪はうっすらと目を開け、息を切らせながら呟く。
 白雪が裸なのに対し、ゼンはまだ浴衣を着ていたのだ。
「わかった。じゃあ俺も脱ぐ」
 ゼンはニヤリと笑い、帯を緩め浴衣を脱ぐ。
 白雪と同じ姿になり、横から抱きかかえる。
 直接肌に触れるぬくもりが温かい。愛おしくなり、ギュッと白雪を抱きしめる。
「ココ、舐めてもいい?」
 ゼンは白雪の潤った部分に指をかける。
「えっ?」
 白雪は一瞬目を見開いたが、しばらくして無言で頷いた。
 白雪を仰向けにして両脚の間に入る。潤った中心部に口づけ、舌を這わせる。
肥大した敏感な突起、クリトリスを舐めると、白雪は身体を震わせ逃げようとした。
白雪の両手を押さえ刺激を続ける。愛液の溢れる膣口にも舌を這わせ、入口を刺激した。
「そろそろ限界になってきたな……。ちょっと待ってて」
 ゼンは一度白雪の体から離れ、布団の近くに置いてある自身の荷物に手をかける。
カバンの中から小さな袋を取り出し、封を切る。ゼンはそそり立ったモノにゴムをゆっくりと装着し、白雪のほうへ戻る。
 白雪の上へ覆いかぶさり軽く抱きしめる。首元に顔を埋めて、軽くキスをする。
「挿れていい?」
 赤い髪のかかる耳元で囁いた。
「……うん」
 白雪は小さく頷いた。
 ゼンは白雪の両脚を抱えて、ヌルリとした中心部に先端を当てる。白雪は緊張でギュッと目を瞑る。
「うっ! 痛っ!」
 ゼンが先端を押し進めようとしたとき、白雪が苦しそうに声をもらした。
「ゼン、そこじゃない……。多分違う……」
「え?」
 ゼンは動きを止める。
「さっき……指入ってたところ……もう少し下……」
 白雪に言われてゼンはもう一度指を当てて位置を確認する。
「ごめん、痛かったか?」
「ううん、大丈夫……」
 白雪はふうっと大きく息を吐く。彼女もだいぶ緊張しているようだ。
 ゼンはもう一度、膣口の位置を確認して、限界まで達した先端を当てる。白雪の脚を抱え、
愛液で充分に潤った密壺の中に一気に押し進めた。
「ああんっ!」
 白雪が大きく声を上げる。
「白雪、入ったよ!」
 ゼンは白雪の手を握り彼女の様子を見る。目を瞑り少々表情は苦しそうだった。
「このまま動いていい?」
 ゼンが尋ねると、「うん」というか細いが聞こえた。同時にゼンの手を強く握り返した。

 ゼンが入ってきた時、熱くて痛かった。
今まで感じたことのない圧迫感で、どうしたらいいかわからなかったが、
ゼンと一つになっていることはわかった。
 そうだ、体の力を抜かなきゃ。目を瞑り軽く深呼吸すると、ゼンが動き始めた。
ゼンが往復すると、しだいに胸に何かが突き上げてくるような感覚に襲われた。
ゼンが自分では届かない最奥を突いてくる。その度に何とも言えない快感に襲われた。
「白雪、もうイク!」
 ゼンが一度大きく動く。
「ああああんっ!」
 白雪は気持ち良さに声を漏らすと、ゼンは白雪の中ですべてを放出した。
 繋がったままの状態でゼンは白雪に覆いかぶさる。
 白雪の肩を抱き、赤い髪に手を添える。
「大丈夫か?」
 耳元でゼンが囁く。
「うん、大丈夫」
 白雪は軽く息を吐きながら笑う。
「それならよかった」
 ゼンは白雪を強く抱きしめる。白雪もゼンの背中に手を回し答えてくれた。
 
***

 脱ぎ捨てた浴衣を着て、布団を整えていると、白雪が固まっていた。
「どうした? 白雪?」
 ゼンは固まっている白雪に問いかける。
「お布団が……すごい湿ってる……」
 白雪はこちらを向かずに、先ほど行為のあった場所を整えながら呟く。
「ああ、白雪のせいだな」
 ゼンはニヤニヤしながら言う。
「ええっ!」
 白雪は驚きこちらを振り返る。赤い髪と同じくらい真っ赤な顔であった。
「白雪が濡らしたんだろ?」
「そ、そうかもしれないけど……。でも……」
 ゼンは意地悪く質問すると、白雪は恥ずかしさに真っ赤な顔のまま俯いてしまった。
「白雪、こっちの布団で寝ればいいから大丈夫さ」
 ゼンは白雪の手を引き、もう一組の布団の方へ抱き寄せる。
「きゃっ!」
「こうやって一緒に寝れば関係ないだろ?」
 白雪を抱えて一つの布団に入る。腕枕をして赤い頭を抱え込む。
白雪は最初、ゼンの顔を見つめて固まっていたが、しだいにゼンの胸に頭を預け寄り添った。
「うん、そうだね」
 白雪は長く息を吐き体の力を抜いた。
 すごく緊張して疲れたような気がする。このままゼンのぬくもりに包まれて眠ることは気持ちいいかもしれない……。
 そっと目を閉じると、強い眠気が襲ってきた。何も考えずにゼンに身を預けると頭をやさしく撫でられたような気がした。
 記憶はそこまでで、白雪は深い眠りに落ちていった。


♪続く



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