***♪先生***



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 これは学生のとき、実習に行った先の病院の先生の話である。
ここではその先生のことを♪先生とでも呼んでおこう。
 肩身の狭い実習生。先生の言うことはもちろん、職員の人には絶対服従状態である。
某検査室にて、♪先生に、
「質問、今日の朝、僕は何を食べたと思う?」
 ニコニコしながら私に歩みよる。
「は?」
 あまりに突飛な質問に一瞬呆然とする。しかし、先程も言ったように肩身の狭い実習生。
質問には何か答えねばならない……! と真面目な私は思っていた。
「ヒ・ン・ト! さっぱりしたもの〜♪」
 何故だかわからないが文末に♪マークがついてしまうくらい嬉しそうだ。
「さっぱりしたものですか? じゃあ、お魚とか、お茶漬けとか……」
 先程も言ったように真面目なねねは真剣に考えてしまう。
「ブッブー。は〜ず〜れぇ〜♪ 答えは納豆!」
「…………」
(全然さっぱりしてねーじゃねーか!)
 と心の中で思ったが、雀の涙、猫の額のように肩身の狭い実習生。
 ニッコリスマイル(^o^)。
 いやぁ〜、病院実習も辛いですねぇ。






 もうひとつ♪先生のおかしな話。♪先生の講義のときのお話。
 まずはじめに小テスト。名前と学校名を書く欄に並んで、何故か星座と血液型を書く欄もある。
こんなことは序の口である。
 その日は抗生物質の講義。
「キミ達はもし、発展途上国に行くとしたら、どんな抗生物質を持って行く? 名前を答えて」
 ♪先生の質問にみんな首をかしげた。一体、発展途上国にはどんな細菌がいて、
その細菌に対抗するにはどんな抗生物質を持って行けば有効だろう? ペニシリン、
テトラサイクリン、セフェム剤……、ぐるぐる頭の中を薬剤が回る。
「じゃ〜あ〜♪ Aさん、何を持って行く?」
 とりあえず指されたのは私じゃない。良かった。
 指されたAさんはまゆ毛の間に皺を寄せて渋い顔をしている。
 ♪先生も変わっているが、実はAさんも負けていなかった。
「えっ! わかんない。正露丸!」
 ♪先生は呆然、実習生一同大爆笑。
 思いもかけない答えが飛んできて♪先生も一枚食わされた。
 まだまだ、日本の将来は明るいねっ!(何故……?)

おわり